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 ひろい読み グリビジネス   界の話題 2000      M・S
   023 米国の農産物貿易
 022 アメリカ農業のデータ(NASS‘00年10月レポートより抜粋)  021 フレッシュウオーター(河川水)の汚染
 020 PCS社新しい球状加里来年1月出荷準備  019 米国の農協が更正法(チャプター11)申請
 018 カーギル社の利益アップ  017 ウクライナ(旧ソ連)肥料にダンピングの疑い
 016 米国大統領が農業支出金にサイン  015 石油価格高騰により鉄道運賃アップ
 014 米国の食料品価格  013 世界の天候と農産物 (2000年9月以降)
 012 アメリカ農家経済の概況  011 にじますとなまずの販売伸びる
 010 2000年世界肥料会議開催  009 収穫大幅増加の予測−米国農務省
 008 フイリッピンが米国からコメを追加購入  007 ファーマーズ・マーケットが米国で伸びる
 006 カエルなど世界の両棲類が減少している  化学肥料と農薬も原因か?  005 世界の農地の40%が劣化している
 004 高金利がアメリカ農民を直撃  003 地球温暖化は農産物価格に影響
 002 イスラエルは港から肥料船積み禁止を検討  001 米国はコメ、大豆等をキューバへ輸出か

023 米国の農産物貿易

 10月時点での米国農産物貿易計画として、2000年をベースに2001年を予測すれば、 小麦3%アップ、とうもろこし18%アップ、米9%ダウン、大豆1%ダウン、大豆粕1%ダウン、大豆油39%アップ、綿花13%アップ、ビーフ3%ダウン、ポーク4%アップ、ブロイラー1%アップ、ターキー1%ダウンとなる。
 米国の貿易収支は8月294億ドルの赤字、7月317億ドル赤字からは改善した。一方、農産物貿易では黒字続きで8月110万ドル(約110億円)の黒字、7月の黒字は84万ドル(約84億円)だった。

022 アメリカ農業のデータ(NASS‘00年10月レポートより抜粋)

 小麦 ・・・ 2000年全麦の生産予測は22.4億ブッシェル、99年比3%ダウン。収穫面積減と単位当たり収量減。市場価格の平均はブッシェル当たり2.35−2.75ドル、99年の平均価格は2.48ドル。在庫は8,800万ブッシェル減少。原因は若干の収量減と需要増。(1ブッシェルは30.272リットル)
 とうもろこし ・・・2000年の生産予測は100.2億ブッシェル、99年比8%アップ。単位当たり収穫はエーカーあたり139ブッシェル。これは昨年比5.8ブッシェル増収。もし、この数字が実現すれば暦史上最大の生産量となる。市場平均価格はブッシェル当たり1.65−2.05ドル。99年価格は1.80ドル。
 大豆 ・・・2000年生産予測は28.2億ブッシェル、史上最高。99年比6%アップ。単位当たり収穫はエーカーあたり38.7ブッシェル昨年比2.1ブッシェル増収。収穫予想面積は7,300万エーカー、99年比1%アップ。しかし、45万エーカーは干草用か収穫放棄地となった。市場平均価格はブッシェル当たり4.60ドル−5.20ドル、99年価格4.65ドル。米国内圧搾用大豆は需要減のため1,500万ブッシェル減少。輸出減少気味。
  ・・・生産予測は1億9,200万カートン(約870万トン)、99年比7%ダウン。収穫面積は309万エーカー、99年比12%ダウン。市場平均価格はカートン当たり5.75−6.25ドル、99年価格はカートン当たり6.11ドル。(1カートンは45.36kg)

021 フレッシュウオーター(河川水)の汚染

 ワシントン発、農業用廃水が米国の河川・湖を富栄養水に汚染させている主犯人であると断定した新しいレポートが世界資源研究所から出されている事が分かった。この報告書は、世界のフレッシュウオーター・システムを壊している5つの要素、農業廃水、ダム建設、運河掘り、動植物生息地破壊、そして水路資源の過剰開発をそれぞれ検証した結果として得た結論であるとしている。次の報告書は森林、草原、海岸、そして農業の環境システムを検証するものになる予定である。

020 PCS社新しい球状加里来年1月出荷準備

 カナダ、サスカチワン州にある加里会社PCS社は、今年の11月から新しい球状加里(K−プリル)の生産を開始し、来年1月には市場への出荷が可能であると発表した。PCS社は既存のマーケットへこの新製品を販売する。PCS社のカナダのコーリー工場の敷地内に日本の肥料購買農協―全農とジョイントベンチャーを組んでデモンストレーション工場を建設し、すでに生産を始めている。新製品K−プリルは年間7万tの製造能力があり、日本マーケットでは全農がこの加里の独占販売権を取得している。新しい加里K−プリルの特徴は、堅くてまるくて輸送にも機械施肥にも強く、加里が壊れて粉(こな)が出るようなことはない。日本のBB肥料工場から加里原料として歓迎されるだろう。

019 米国の農協が更正法(チャプター11)申請

 カンサス州の大手農協が日本でいう会社更生法を9月27日、州裁判所に申請した。事実上倒産。ここ数年に渡る販売量の減少と政府の補助金削減により経営危機が云われていた。この農協はファーマーズ・コオペラテブ・アソシエシヨンで組合員3500名。負債総額10百万ドルから50百万ドル(約10億円から50億円)。債権者は200人から999人。ミスリー州のアチソン、ラァンカスター、ラシュビル、ローレンス等にも組合員を要する広域農協でファームランド・インダストリーの傘下の農協である。
 1997年売上高1億ドル(約100億円)、98年76.7百万ドル(約76.7億円)、99年62.7百万ドル(62.7億ドル)今年は更に業績不振に陥っていた。

018 カーギル社の利益アップ

 同社の決算年度の第一四半期の終わる8月31日は、172百万ドル(約172億円)の利益を計上したと発表した。昨年は同時期150百万ドル(約150億円)だった。21世紀へ向けて良いスタートがきれたとワーレン・スターレイ同社会長が業績内容を報告した。それによれば、牛肉化工業務と金融収支が今期利益に寄与した。穀物と菜種、肥料は需要が弱く、供給過剰の状態である。

017 ウクライナ(旧ソ連)肥料にダンピングの疑い

 米国の肥料業界でつくるアンモニア公正交易委員会は、ウクライナ産硝酸アンモニアが(チッソ肥料)米国市場に洪水の如く低価格で輸入され、米国肥料メーカーに打撃を与えているとして米国通商代表部と商務省に正式提訴した。2000年上半期だけで155,000トンが輸入され、昨年は輸入品ゼロ、一昨年は17トンに過ぎなかった。申請日の10月13日に遡って課税すべきだとしている。商務省はロシア産硝酸アンモニアについては輸入停止の協定を結んでいる。それは輸入数量制限とロシアからの輸出価格に底値を設定するという内容である。ウクライナのケースはロシアと違い、単純にことは運ばないだろうとの関係者の見方である。一方、輸入商社や安い肥料のバイヤーはウクライナにがんばってほしいと応援している。

016 米国大統領が農業支出金にサイン

 米国のクリントン大統領は2000年農業支出金に関する法律にサインしたと10月28日農務省が発表した。それによれば、災害補償金35億ドル(約3500億円)は干ばつ、洪水、火災などの被害農家に当てられる。そのほか価格下落補償金として、作物損失補填に13億ドル(約1300億円)、酪農損失補填667百万ドル(約667億円)畜産補填金450百万ドル(約450億円)そしてりんご農家などへの補助金158百万ドル(約158億円)が含まれている。
 クリックマン農務長官は「この補填金は、中小規模の家族農家が離農を防ぐためにはぜひ必要な補助金である。早急に配分したい」と語った。

015 石油価格高騰により鉄道運賃アップ

 米国のユニオン・パシフイック鉄道会社は、燃料の石油価格の上昇をうけて、今年の第4半期から鉄道運賃値上げせざるを得ないと発表した。長距離契約運賃を含めローカル線の貨物にまで適用する。カナダ・パシフイック鉄道会社も3−4%の運賃値上げを表明した。会社によれば、石油は鉄道会社経営の10%の経費を占めるが、石油価格高騰により年間経費が13−14%にアップになる。10月上旬から新運賃適用したいと述べている。穀物、肥料など大量輸送品目の今後の流通経費のアップは避けられない。

014 米国の食料品価格

 1998年2.2%、99年2.1%アップであった、2000年には2.1%、2001年には2−2.5%の食料品価格の上昇が予想される。米国政府の食糧への直接支払いは200億ドル(約2000億円)を超えるがいろいろな農業関連プロジェクトを通じて、農家収入を大幅に引き上げたことになる。食糧不安を感じた米国の家庭は1995年から1999年にかけて12%減少し、飢餓の思いをした家庭は24%減少した。このように食糧事情が改善したとはいえ1999年の実数でみれば、まだ米国の800万世帯が飢えを経験しておりその内3分の1は子どもである。
 一方、2001年米国の農産物の輸出は515億ドル(約5兆1500億円)前年比2%増加が予想されている。主用輸出先のアジアで1997−99年に起きた通貨危機がおさまり、農産物輸出価格も安くなっているので数量的には大幅増加の見込みである。

013 世界の天候と農産物 (2000年9月以降)

米国
・・・ 今年の夏は暑かった。乾燥した日が続いたので夏野菜・果実そして穀物の収穫は順調だった。乾燥した気候のため冬小麦の植付けが若干遅れた地域もあり、作業の済んだところは生育に多少の被害もたらしたところもあった。
ウクライナロシア ・・・ 農作業に適した温暖でドライな天気の日が続き農産物の収穫は順調だった。冬小麦の植付けも、適度な降雨に恵まれ元肥の施肥に好都合だった。
ヨーロッパ ・・・北ヨーロッパ全域に降雨があり、湿気をともない、農作業が少し遅れ気味。
オーストラリア ・・・ 季節的に温かい時期。冬作物の種蒔き準備に好都合。
インド ・・・菜種にはあまり良くないドライな天気が中部インドに続いた。
カナダ ・・・温かく乾燥した気候に恵まれ、春野菜の収穫に好適、また夏野菜の生育にも好条件だった。
韓国日本 ・・・ 大雨と台風の影響で、稲籾の成熟を遅らせた。韓国では稲作の被害も見られる。
ブラジル ・・・南ブラジル地方に大雨。夏作物の植付けには土壌水分は十分にある。しかし冬小麦の稔りを遅らせ早期収穫には間に合わない。(出典NASS)

012 アメリカ農家経済の概況

1.農家戸数は増加
 1999年のアメリカ農家戸数は219万戸。前年より少し増加した。1戸当たり平均耕作面積は432エーカー(約162.8町歩)。アメリカの総農地面積は9億4700万エーカーで昨年より若干減少した。農業所得10万ドル(約1000万円)以上の農家はそのうち15%である。彼らの半数以上が大規模農家で平均耕作面積は1488エーカー(約5952町歩)。

2.農地価格はアップ  耕作地と家屋敷を含めた農地価格は2000年1月1日現在、1エーカー(約4反歩)当たり1050ドル(約11万円)。前年同時期から2.9%アップした。1992年以来最少の上昇率である。耕地だけの価格だと2.1%の上昇で1エーカー当たり1440ドル(約14万4000円)。1990年代アメリカの農地価格は毎年6.5%ずつ上昇し10年間で65%アップした。

3.販売高ダウン、購買高前年比変わらず  1999年の農産物販売高では5.9%前年比ダウンした。穀物価格が下落したことが主な原因。特に大豆、綿花、グレインが大幅安だった。畜産は前年並みだった。肉類の販売は良好だったのに酪農が悪かったので相殺された。農業収入を州別にみれば、1位はカリフォルニア州の945億ドル、2位はテキサス州で130億ドル、3位はアイオワ州の110億ドル。(出典NASS)

011 にじますとなまずの販売伸びる

 アメリカにはにじますの獲れる州が20州もある。魚から卵のいくらも取れるから、販売高は7600万9000ドル(約79億円)になった。前年比4%アップした。一匹12インチ(約30センチ)以上のにじますで6000万3000ポンド(約2万7000トン)販売したことになる。
 なまずの養殖は13州以上にまたがっている。1999年の総売上は4億8800ドル(約512億円)にも達した。前年比3%のアップである。食用なまずは4億6400万ドル(約487億円)で、飼料用なまずは300万6400ドル(3億8千万円)。養殖池の面積は2000年1月には前年同期に比べて5%増加して189千エーカー(75600町歩)になっている。

010 2000年世界肥料会議開催

 9月半ばサンフランシスコにて世界中から900名の肥料関係者を集めて世界肥料会議が開かれた。出席者によれば肥料の製造、購買、流通について世界規模で変わりつつあるという。 インドや旧ソ連の情勢が変化している。インド政府は国産肥料には補助金を出していたが早晩中止せざるを得ないだろう。インド通貨が安い、輸入肥料が安い、そして末端価格が安いのが原因でインド政府の補助金は多額になり、もはや維持することが不可能と関係者はみている。
 旧ソ連の肥料工場が世界銀行、欧州投資銀行、北欧銀行等の融資により設備を近代化し操業再開に向かいつつある。会議の席上関係者に感謝を述べていた。これまで旧ソ連は輸入制限されたり、アンチダンピング法に疑われたりして世界のマーケットシェアを失って来たが、ヨーロッパ、中国、米国との関係改善の姿勢が見えるようになった。

009 収穫大幅増加の予測−米国農務省

 コーン、大豆、綿花の2000年度の米国の収穫予想は大幅増の見通しである。コーンは100.4億ブッシェルで昨年の10%アップ、昨年は一昨年の6%アップであった。8月1日付けの予想に基つけば、1エーカー当たりの収量は141.9ブッシェル昨年比8.1ブッシェルアップとなる。もし、この予想が現実のものになれば、1866年コーンを予想して以来最高の収穫高になるはず。
 大豆の生産高は、20.99億ブッシェル昨年比13%アップ、昨年は1昨年の9%アップであったから今年は新記録の生産額になるはず。単位当たりの収穫予想は40.7ブッシェル昨年比4.2ブッシェル増加。史上2番目の単位当たり収穫量。  綿花は19.2百万(480パウンド)バレル、昨年比13%アップ。単位当たり収穫量は1エーカー当たり648パウンド。昨年比41%アップ。(文責:ms)

008 フイリッピンが米国からコメを追加購入

  フイリッピンのジョセフ・エストラダ大統領は2千万ドル(20億円)分の米国産コメを従来の契約に上積みして買い付けると7月下旬発表した。2000年度の契約を改定する過程で、米国は長期且つ低利のローンを組み、フイリッピン国は見返りとして、4千万ドル(40億円)のアメリカ産品の購入を約束するというもの。米国産品の中でコメが3千万ドル(30億円)、大豆が1千万ドル(10億円)が含まれている。結局のところ、数量にしてコメ10万トン、大豆5万トン以上の購入保証をローンでまかなえるようにしたと農務省は云っている。実際の商売は、米国の民間会社による入札方式・輸出は行われる開発途上国向けファイナンスの適用も受けられる。

007 ファーマーズ・マーケットが米国で伸びる

  農務省の発表によれば、米国のファーマーズ・マーケット(農産物の露地販売等)はその数を年々増やしている。'96年は2,410カ所だったのに、'98年は2,746カ所、2000年には2,863カ所に増えた。実に63%の増加である。売上金額はおよそ10億ドル(1000億円)になる。ほとんどの売上げは直接、小規模農家の収入になっているはず。2年毎に発行される「ファーマーズ・マーケット一覧」(272ページ)2000年版がこの程完成した。その中で、グリッグマン農務長官は、「ファーマーズ・マーケットや農産物の露地販売はアメリカ人のルーツを残し、アメリカ人の伝統を思い起こさすもの、またファーマーズ・マーケットは農家だけでなく消費者にとっても大きな利益になる。7月25から8月5日を全国ファーマーズ・マーケット週間とする」と述べている。この一覧表には、場所、営業時間、連絡先、マーケットの特徴、食糧スタンプの受付可否など必要情報が記載されている。

006 カエルなど世界の両棲類が減少している  化学肥料と農薬も原因か? 

 カエル、サンショウウオなど海陸両棲類の数が世界的に減少しているという記事が、「自然ジャーナル」に載っていた。1980年代に研究者が初めてそのことを警告してから既に20年が経過しているが、現在も減少は続いている。オタワ大学の研究者がインターネットを通じて200人の世界の研究者の意見を集計した結果、1690年から6年間で15%減少し、それ以降年率2%の割で両棲類は減少しているという。特に、オーストラリア、南米、中米、米国西部の高原地帯に減少傾向が顕著である。自然環境の破壊状況を調べるのに、他の生き物にも共通するとして両棲類の生息を基準にしている。両棲類減少の原因として、地球の急速な工業化、都市化、そして大量の化学肥料と農薬も原因ではないかと述べている。これに対し、米国肥料協会は「両棲類の減少と肥料の因果関係が科学的に証明された訳ではないし、肥料が避難されるのはおかしい」と反論している。

005 世界の農地の40%が劣化している

 国際食糧政策研究所(IFPRI)が先日、世界の農地のほぼ40%が土壌流失(エロージョン)、土壌養分不足など深刻な問題を抱えていると発表した。宇宙衛星から地球の写真を写真分析し、新しい農業地図を作製した。それによれば、アメリカの農地の75%は劣化し、アジアの農地は11%が劣化している、そしてアフリカの牧草地の20%が深刻な劣化減少を呈している。そして世界的には16%の農地に作物の生産性に陰りが出ているといっている。  世界銀行副社長で国際農業研究所々長を兼任の人も、地球儀に劣化地域に赤い旗を立ててて将来の世界の食糧供給地を注視している。しかし、土壌劣化は土地管理の仕方によっては改善の可能性も残されていると研究者はいっている。

004 高金利がアメリカ農民を直撃

 アメリカ・ファーム・ビューロー(米国農業者同盟)は最近の米国の金利高について、多くの農家の借り入れ金利は、10%を超え、1990年代初めの高金利時代と同水準になったと嘆く。プライム・レート(優遇)は9.5%で通常農家はそれに1〜1.5%上乗せして営農資金や短期必要資金として借り入れている。

003 地球温暖化は農産物価格に影響

 米国のアイオワ大学は、地球温暖化について、農産物の価格、収穫量、そして農家収入に大きく影響するという研究をまとめた。地球温暖化はまず病害虫が多く発生し、収穫が減る。防除のため農薬を何種類も何回も散布するようになる。そうなれば、環境に配慮した農薬開発へ移行せざるを得ず、開発費をかけることになり、結果的に農産物の生産コストは上昇する。1950年からの収穫量の変動と、温暖化現象が始まった1970年以降の変動を比較すれば、後半のほうがはるかに収穫量の変動が激しい。気温がこのまま上がり続けるとさらにいろいろな問題が生ずる。たとえば、米国のコーンベルト地帯と呼ばれる中西部の農業地帯は将来、北西部に移動するような事態になるかもしれない。

002 イスラエルは港から肥料船積み禁止を検討

 イスラエルの環境庁は、輸出用の加里、燐鉱石のエイラット港での船積みを中止させる方向で検討していることを明らかにした。エイラット港はリゾート地域に隣接しており、ヨーロッパ各地からの観光客でにぎわう。ホテルからの景観は、輸出の肥料の船積みがあれば、粉塵が立ち昇り、ひどい時にはほこりで空が曇り観光客に不評である。事態を重く見たイスラエルの環境庁は、エイラット港を含むイスラエル南部の港での肥料の船積み全面禁止の意向をメーカーに通告した。イスラエル燐鉱石50万トン、加里100万トンは主として東南アジア向けに輸出されている。港湾への投資額も膨大で、もし船積み禁止が現実化すれば輸送コスト高になり、問題が大きくなるとメーカーは頭を抱えている。

001 米国はコメ、大豆等をキューバへ輸出か

 40年間キューバへ輸出禁止していた米国は、このほど直接米国大陸からキューバへ食糧輸出できる法案を下院で可決した。共産主義のカストロ政権に対する経済制裁が続いており、保守主義者のプレッシャーを撥ね退けての成立であった。だが、まだ連邦政府の出方や銀行ファイナンスのハードルがホワイトハウスのスポークスマンは慎重な言いまわしながら、食糧や医薬品などがキューバに輸出されることに反対はしない。カストロ政府のためでなく、キューバ国民の利益になることだから、と。輸出額は2500万ドルから4500万ドル(約25〜45億円)と推定される。今まで、キューバは遠い中国からコメ、フランスから小麦を輸入していた。



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