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アグリビジネス業界ニュース

開発当初からの疑念解消 BG無洗米機の内部視察会を開催
―東洋精米機製作所―


 急成長を続ける無洗米市場で、その主力を担っているのがBG無洗米だ。生活協同組合や一般消費者の支持を得て、年々普及に拍車がかかり増産・拡大してきた。
 簡便で美味しく、省エネ省資源、とぎ汁による水質汚染もなく、無洗米工程で生じる肌ヌカを有機質肥料・飼料として有効活用できることなどが、消費者に総合的に評価されてきた結果である。
 しかし、これまでBG無洗米の製造方法は非公開とされてきた。ヌカでヌカを取り除く製造法と説明されてきたが、不明な点が多かった。従って当初からBG無洗米製造設備の心臓部は、米穀業界ではブラックボックスと呼称されてきた。 
 どのような仕組み、機構、技術でBG無洗米が製造されるのか、さまざまな憶測が飛び交った。そのことによるデメリットは大きなものがあった。「消費者に製造方法を聞かれたとき説明できない」、また、「主食である米の加工方法が秘密であるなどナンセンスだ」など。
 こうした声に応じてBG無洗米製造設備を開発した(株)東洋精米機製作所では、9月24日、埼玉県坂戸市のトーヨーライスセンター関東工場にマスコミ関係者を集め、BG無洗米機の内部を公開した。なお、技術公開に先立ち、同社ではBG無洗米機の自動制御技術以外は全て、今夏前に特許出願している。
BG無洗米機断面図
 同社では、内部技術公開に至った理由を次のように説明した。
 昨今、コンタミ防止対策化の公開が社会より強く求められる時代になってきたため、同社ではこれまで各種のコンタミ対策機器を公表してきたが、BG無洗米機についても公開することが、社会的な責務であると考えた。
 特にBG無洗米機は当初よりコンタミ防止が図られていただけに、利用者にそれを理解してもらいたかった。またその技術公開により、今後、BG方式の模造機が出現したとしても、無洗米の品質を一定化する自動制御装置までは模造できないため、既存のBG無洗米製造業者に迷惑をかけることはない、と判断した。
 またBG無洗米の優位性を次のように評価した。

 1.BG米は全く何も加えていないので、安全性がもっとも高い。
 2.BG装置は無人操作であり、水使用による腐敗悪臭もなく、残留米も全くなく、乾燥空気による機内清掃をしているので、衛生度がもっとも高い。
 3.水を使わないBG方式では「うまみ層」が残り、除糠性が良いので、品質がもっとも高い。 
 4.独自開発のセンサーによる自動制御をとりいれているのはBG無洗米機だけであり、米の特性、状態に合わせた加工調製ができるので、無洗米の安定性がもっとも高い。 
 5.BG方式以外の無洗米は「水洗式」と、水及び熱付着材を添加する「媒体式」の2方式しかなく、価格的には何も使わないBG無洗米に対抗できず、無洗米生産時のランニングコストはBG米がもっとも低い。
 6.BG無洗米は水資源を浪費せず、とぎ汁による水質汚染もなく、大量の二酸化炭素を発生させない。また無洗米処理時に発生する肌ヌカは、有機肥料・飼料の「米の精」に加工され循環型農業を実現するので、BG米は環境負荷がもっとも低い。
 7.BG無洗米製造工場は、そのほとんどが製造ラインの増設にせまられており、フル稼働状態が続いているので、BG無洗米機は稼働率がもっとも高い。
 8.BG方式では、肌ヌカを除去し、旨み部分と共にある表層澱粉質を他方式よりも残せるので、BG米は歩留りがもっとも高い。
 9.BG製法では、大がかりな装置やボイラーなどが不要なため、無洗米機そのものの製造コストがBG方式がもっとも低い、など。

 そのほかにも、無洗米分野でのシェアーや環境に対する理念が高いなど、BG無洗米という製品、BG無洗米製造装置・技術は、多くの優れた特性、要素が挙げられる。
 今回のBG無洗米機内部視察会は、これまでの一部公開の時のようなジレンマはなく、BG無洗米製造装置の優れた特性や、ヌカでヌカを取る技術の実際を知ることが出来た。食品・食料分野における情報公開による安心・安全・信頼感の構築は、社会的にも極めて大きな意義がある。
 これを機会に、今まで距離をもってBG無洗米に対応してきた業者・団体にも、BG無洗米機の視察、見学を勧めたい。
 米の消費拡大は、さまざまな分野、立場、視点から推進していく必要があるが、こうした情報公開によって無洗米が米消費拡大の一助となることは間違いないことだろう。
(2003.9.30)
 

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