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朝ごはんは8割以上が食べる、でも野菜はきらい
    −−JA全農の「子どもと食べ物調査」


 JA全農の「子どもと食べ物アンケート調査」の結果がまとまった。毎年5月5日の「子どもの日」に開催される「チビリンピック」で、子どもと食べ物をテーマにアンケート調査しているもので、今年で6年目。今回は3月に政府が発表した「食生活の指針」に基づきアンケート設計した。対象は1988〜1992年生まれの子ども達。


1.朝ごはんは、ほとんど食べている

 朝食摂取状況は、「毎日食べる」が87%で、「たまに食べないことがある」11.5%、「食べないことの方が多い」1.5%。学年別でもこの傾向は大差はない。ただ、中学生以上になると、毎日食べる子の割合がぐっと少なくなる(毎日食べる高校生が76.9%、中学生78.7%−(財)日本学校保健協会)。  

2.半数が家族と食べる

 朝・夜ごはんは、だれと食べるかを聞くと、「家族みんなと一緒に」が50%、次いで「子どもだけ」19%、「お母さんと」13.2%、「1人で」9.6%、「お父さんと」2.1%。1人で食べる、いわゆる「孤食」が約1割。
 朝食を家族で食べる割合は年齢が高くなるに従って減少、3年生と6年生では「家族一緒」「お母さんと一緒」が各9ポイント減り、逆に子どもだけで食べる割合は8ポイント程度増えている。また、家族一緒に食事をとる子どもが「食事を楽しみにしている」のに対し、1人で食事をとる子どもは「楽しみにしていない」結果になっている。日頃の食環境が子どもの食への興味・楽しみ方の差として明確に表れている。  

3.朝ごはんはパンが若干上回る

 朝ごはんに何を食べるか聞くと、パン29.4%、ごはん28.4%。パン派が優勢だが、半数以上がその日によって主食を食べ分けており、朝ごはんにおける主食の座は決まっていない場合が多い。一方、ごはんやパンを食べない子は0.3%だった。  

4.おかずで嫌いなのは野菜

 おかずで好きなメニューときらいなメニューを聞いたところ、トップはだんとつで「カレー」45%。男の子はハンバーグ、ラーメン、焼き肉といった肉類や中華風のボリュームメニューを好み、女の子はスパゲティ、シチュー、グラタンなどの洋風メニューを好んでいる。いずれも脂肪分の多いカロリーの気になるメニューである。
 きらいなメニューのトップは野菜、しかも上位5位までがすべて野菜。特に男子に多い傾向にある。  一方で、きらいなメニューを「なし」と答えたのは23.6%。年齢が高くなるにつれ、「嫌いなメニューがない」子が増えている。好き・嫌いを克服することは子ども達にとって食生活上の大きな目標になっているようである。  

5.「家族みんなで食べたい」がトップ

 だれと一緒に食事をしたいか、聞いたところ、「家族みんなで」がトップの64.5%。「友達と」が27.6%、わずかだが、男子の方が家族一緒にを望み、女子は友達を望む傾向。
 一方、家族と食べていない子は友達との食事を望み、だれかとコミュニケーションをとりながら食事をしたいという思いがうかがえる。  

6.朝・晩ごはんは楽しいか

 朝ごはんを「楽しみにしている」子は57.2%、「どちらでもない」36.3%、「楽しみではない」6.5%。晩ごはんは「楽しみ」が76.4%、「どちらでもない」が20.3%、「楽しみではない」は0.2%だった。女子は朝・晩ともに「楽しみにしている」が男子を上回っている。
 楽しみな理由で多いのは「おなかがすいているから」「料理がおいしいから」「家族と話」ができるから」など。楽しみでない理由は「おなかがすいていないから」。間食などが原因だろうか。  

7.おはしの使い方

 「はし使い」は日本の食文化の基本、親に教えてもらった経験があるのは83.7%、特に女子では9割近くが教わっている。そのうち「おうち」で教わったのが9割以上。おかあさんが7割強。
 会場で実際に、はしを持ってもらったら、正しく持てる子は半数以上。正しく持てない子は、握るように持ったり、動かすと「ばってん」になってしまう場合が多い。「はし使い」は合理的、機能的で、食事を楽しくする条件でもある。また、複雑な手の動きを要するため、脳の発達に影響を与えるともいわれている。子どもの手のサイズに合ったはしを選び、親子で「はし使い」をしっかりマスターすることが必要である。  

8.食事前後のあいさつは

 「いただきます」「ごちそうさま」といつもあいさつしているのは75.2%。「たまに」が18.8%、「滅多にしない」3.5%、「全くしない」1.5%。男女で大きな変化はみられない。
 食事前後のあいさつは、命をいただくこと、食材が食卓へ並ぶまでの行程に携わった人達に対する感謝の言葉。単なるあいさつから一歩すすみ、意味を理解し、背景を考えてあいさつできるよう大人が伝達していきたい。  

9.お米(ごはん)、じゃがいもを使った料理で思い浮かぶものは「カレー」

 思い浮かぶ好きなもの3つを書いてもらったら、1位はカレー58.2%、2位チャーハン53.4%、3位が大きく下がっておにぎり29.4%だった。じゃがいもでは、1位肉じゃが52.0%、2位カレー49.1%、3位フライドポテト46.2%、以下、ポテトサラダ、ジャガバターなど。
 食べ物がすぐに手に入り、豊富な現代だが、食べ物のイメージを均一化している。旬の食べ物や行事食、新しいメニューなどを食卓へ取り入れ、子ども達の味覚と食べ物への興味を育てていきたい。  

10.食生活は何点?

 自分の食生活を自己採点してもらったら、100点をつけた子が25.1%もいた。81〜99点が26.6%、71〜80点が21.5%。学年別平均点は年齢とともに下がり、3年生と6年生の差は5点以上、特に、5年生から家庭科を学習するため、栄養の知識を持ち、食生活に対する味方が変化するのだろう。
 満点の理由では、5・6年生が「バランスが良い」「栄養ばっちり」など、栄養バランスをも考慮しており、3・4年生は「残さず食べる」「嫌いなものがない」などが多い。反対に減点の理由では「好き嫌いがある」。その嫌いなものの多くは「野菜」で、子ども達自身、それを克服する必要性を認識しているようだ。




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