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4〜6月の配合飼料価格約600円値上げ−JA全農(3/21)
 JA全農は3月21日、平成13年4〜6月期の配合飼料供給価格について、飼料原料・外国為替情勢などを踏まえ13年1〜3月期に対し全国全畜産総平均トン当たり約600円の値上げを決めたと発表した(改訂額は地域別・畜種別・銘柄別で異なる)。
 関連して発表した「現在の情勢」の概要は次のとおり。
 1.飼料穀物−−とうもろこしのシカゴ定期は、昨年末中西部の寒波による影響から230セント/ブッシェル(3月限)まで上昇したが、3月8日に発表された米国農務省需給見通しで米国産とうもろこしの輸出需要が下方修正され、期末の在庫率が前回より約1%上昇し19.9%となったことなどから徐々に下落し、現在は210セント/ブッシェル前後で推移している。
 今後のシカゴ定期は、(1)米国内需は順調で史上最高レベルが予想されている、(2)現在のシカゴ定期はここ数年の中では安値圏にある、(3)今年の米国のとうもろこし作付面積は大豆などへの転作により減少する見込み−−などから220セント/ブッシェル(5月限)を底として強含みの相場展開が予想される。
 2.蛋白質原料−−大豆粕のシカゴ定期は、EUが狂牛病対策として肉骨粉の飼料原料への使用禁止等を決定したことによる代替需要への期待から、12月中旬には190ドル台後半まで急騰した。その後、南米で理想的な天候が続いたことから下落し、直近では160ドル前後(5月限)で推移している。
 一方、国内では、1月末のインド西部大地震の影響でインド産輸入が滞ると想定されるものの、シカゴ定期に大きな動きはみられないことから、4〜6月は弱含みの見通しとなっている。
 輸入魚粉は、中国の買い付けが活発化したことなどから価格は高騰。国内魚粉は、魚粉生産が減少していることから価格は上昇しており、当面は強含みの展開が予想される。
 3.海上運賃−−米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は23ドル/トン台で推移している。米国の景気減速や原油価格の下落に伴い、年末にかけて海上運賃は値下がりしたが、年明け後はほぼ横ばいに推移。今後は各国の経済成長鈍化による粗鋼生産量の減少や、新造船の大量竣工が予想されており、海上運賃は弱含みに推移すると思われる。
 4.外国為替−−年明け以降も日本の景気の先行き不透明感、株価の下落等を材料に円が売り込まれ、一時120円目前の円安となったが、米国経済の減速等を背景に調整が進み、いったん114円台を付けた後、再び120円前後の相場展開となっている。日本の株価が低迷していること、日本の金融・財政政策は手詰まりの状況とみられることなどから、今後も円売り圧力がかかりやすいと考えられる。
 なお、配合飼料価格が畜産経営に与える影響を緩和するため、4〜6月期も安定基金の補てん実施を要請している。
 問い合わせ先−−JA全農畜産生産部総合課 電話03−3245−7201



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