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農政・農協ニュース

虚偽の原産地表示2年前から
雪印食品−−牛、豚の市場流通を自粛 (2/1)

 農水省は2月1日、雪印食品(株)(本社・東京都中央区)の関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)へのJAS法に基づく立ち入り検査結果を公表した。1月28日に同社が北海道産牛肉のラベル貼り替えの事実があったことを公表したことから、立ち入り検査を実施したもの。
 この調査では、同センターのセンター長を除く職員8人全員から農水省職員による事情聴取が行われた。その結果、複数の職員が、同センターでは少なくとも2年前から国産牛肉、豚肉で虚偽の原産地表示を行っていたと証言した。
 職員の具体的な証言は、「北海道産牛肉に熊本産、奈良産のラベルを貼っていた」、「乳牛を和牛として販売」、「豪州産牛肉を国産牛肉と表示し販売」、「牛肉、豚肉のトレーパック(スーパーなどでの小売り用パック)でも虚偽の原産地表示を行っていた」など。こうした表示は、昨年9月のBSE発生前は月に1〜3回程度。BSE発生後は、売れ行き不振のため売りやすいものへ表示を代えようと考えたためか、月に5〜10回程度の頻度で行われていたという。
 しかも、このような虚偽表示は、担当者個人の判断で行われていたのではなく、センター長の指示で実施されていた。
 調査では、北海道産牛肉のラベル貼り替えも含め、そのほかの証言を伝票などで裏づけることはできなかったが、虚偽表示の証言が得られたことから農水省はJAS法に定められた「生鮮食品品質表示基準」に違反すると判断。同日、雪印食品(株)の岩瀬弘士郎社長に牛肉と豚肉の表示が適正であることが確認されない限り、市場流通を自粛するよう「指示」した。岩瀬社長はこの指示に従うことを明らかにした。
 農水省は、今回の調査結果について、「虚偽表示は組織的、継続的に行われいたかなり悪質な行為」としている。


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