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農政・農協ニュース

日本ミルクコミュニティ 来年1月1日設立
社長に杉谷前JA全農常務が就任 (8/22)

◆新ブランド名は「メグミルク」
  農協牛乳、雪印ブランドは存続

市乳統合会社 記者発表会

 全国農協直販、雪印、ジャパンミルクネットの3社は8月22日、会社分割制度を適用し新市乳統合会社を設立することに合意、同日新会社の概要についての記者会見を行った。
 新会社名は「日本ミルクコミュニティ株式会社」で平成15年1月1日に設立される。本社は東京都新宿区富久町に置く。資本金は150億円を予定。出資比率は、JA全農40%、雪印30%、全酪連20%、農林中金10%となっている。
 従業員は2110名の予定で初年度の売り上げ高は2450億円を目標とした。牛乳・天然果汁などの得意分野で国内シェアナンバーワンをめざす。
 新会社の企業理念は「自然からお客様までのミルクコミュニティを育み明るく健やかなくらしの貢献する」を掲げ、新ブランドを恵みとミルクを組み合わせた造語「メグミルク」とした。
 新ブランドは新会社のコアブランドの位置づけで、農協牛乳、雪印牛乳など既存のブランドは継続させ、新会社としては併売していく。「メグミルク」は成分無調整などで差別化を図る予定だが、その他の加工乳、乳飲料などの商品ラインアップも含めた詳細については11月に発表する。
 新会社の社長には、杉谷信一前JA全農常務が就任する。
 
 杉田新社長は会見で自らの使命として、「消費者の方々に安全な商品をお届けできるシステムを確立すること。従業員一人ひとりが食の安全に対して意識を高めること。従業員の意識の差をなくし一体感を作り上げること」と語った。これらの取り組みについて、全農時代に組織統合を担当したことや、常務として総合販売促進に携わってきた経験が生かせると強調した。
 新会社は15工場体制でスタートする。雪印の倉敷工場、ジャパンミルクネットの神戸工場、全国農協直販の神奈川中酪工場は新会社発足までに閉鎖する。「工場の統廃合や物流経費の削減は単独会社ではできなかったこと」(杉田社長)で、これを実現して事業基盤と競争力の強化を図る。また、きめ細かいエリア対応するため地域事業部制(北海道、東北、関東、中部、関西、九州)を導入するほか、社長の直轄部門としてコンプライアンス部、品質保証部、コミュニケーション部を設置し、法令遵守の内部監査体制や社外とのコミュニケーションを重視する。
 とくに品質保証では「お客様第一主義」を掲げ、原材料や出荷製品の生産履歴などトレーサビリティの確立と情報公開を実践するほか、消費者、生産者、牛乳販売店、学識経験者などで構成する「ミルクコミュニティ委員会」も設置し、取締役会への助言、意見交換の場とする方針も打ち出している。


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