農業協同組合新聞 JACOM
   
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多様かつ幅広い担い手の確保・育成を
−JAグループが具体策の要請決める (11/12)

 JA全中は11月5日の理事会で新たな食料・農業・農村基本計画策定に向けた「JAグループの要請具体策」を決めた。多様な地域農業の実態を十分にふまえた施策の確立とその裏づけとなる抜本的な財源確保対策を国に求めている。
 担い手・農地制度の改革では、JAグループの「地域水田農業ビジョン」の実践を制度的に位置づけることや、担い手の明確化や農地利用区分、資源保全協定などを「農用地利用改善団体」が担うような仕組みへの改革実現を求めている。
 また、担い手については、「意欲ある者」、「育成すべき者」、さらに地域の農業者が「参加」した集落営農なども認定する仕組みの構築により「多様かつ幅広い担い手」の確保と育成をが必要としている。
 リース方式による一般の株式会社の農業参入については、農地を農地として利用することを前提に、関係機関との事前協議や適切な実効確保のもとで実施することを要請。また、農地の所有権取得は認めないことを求めている。

■数量支払い 全生産者を対象に

 品目横断的な直接支払いなどによる経営安定対策については、施策の対象が焦点となっているが、JAグループは、国が一律的な規模要件を課すのではなく、意欲ある者、育成すべき者のほか、法人化前の集落営農や受託組織も対象とすることを強調している。
 また、面積支払いと数量支払いによる日本型直接支払い制度は、現行の手取り水準を確保することが前提だとし、とくに「数量支払い」については「対象となる作物の全生産者を対象にすること」を求めている。
 そのほか、仕組みの具体化にあたっては、関税率の低下にともなう内外条件格差が拡大した場合、支援水準を是正することや、支援対象作物も拡大できるように検討することを要請している。
 
■資源保全対策にも直接支払いを

 資源保全対策では、資源維持のため地域の多様な農家などによる「協同」の取り組みを支援する全国的な直接支払い制度を農村地域政策として措置することを求めている。また、策の実施は19年度からの新たな経営所得安定対策と一体的にスタートさせるよう要請している。
 そのほか、食料自給率の向上のために「戦略的な目標」の設定が必要だとし、生産面では麦・大豆のほか、加工原料米、国産稲わらの利用拡大、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ)、飼料用米などの生産拡大についても目標を設定するとともに、これらの作物に対象にした直接支払い制度や、経営所得安定対策の対象にすることなど抜本的な検討の必要だと強調している。

(2004.11.12)


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