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農水省 現場に早期発見を呼びかけ−鳥インフルエンザ 79年ぶりに発生 (1/13)

 1月11日に国内で79年ぶりの発生が確認された高病原性鳥インフルエンザのウイルスは、韓国などで確認されている「H5N1」であることが、13日、(独)生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所の鑑定で判明した。
 今回発見された農場は山口県阿武郡阿東町の採卵鶏農場(ウインファーム山口農場)で飼養羽数は約3万4000羽。昨年、11月末から死亡数が増えだし、今年1月はじめから1日の死亡数が100羽を超えるなど急増したため自主的に家畜保健衛生所に検査を依頼していたもの。その後、検体を動物衛生研究所で鑑定して発生が確認された。
 同農場はすでに死亡鶏は5000羽を超えているという。発生農場ではすでに殺処分がはじめられ、鶏舎の消毒も実施された。また、部外者の農場への立ち入り制限、卵の出荷自粛も行われている。
 また、農場の周囲半径30kmの鶏など家禽や病原体を広げるおそれのある物品等を対象に移動制限をしている。対象地域内の鶏の数は約100万羽。採卵鶏だけでなくブロイラーも含まれている。
 農水省は今回確認されたウイルスが韓国などで分離された型と同型だが、現時点でその関係を明らかにするのは困難として、引き続き感染経路の特定のための疫学調査を実施することにしている。
 鳥インフルエンザのうち、血清型が「H5」と「H7」は人にも病原性を持つ人畜共通感染症であることから「高病原性」と定義されている。
 鳥から直接人に感染した例は報告されているが、人から人への感染例の報告はない。
 また、鶏肉、鶏卵を食べることによって鳥インフルエンザに感染することは世界的にも報告されていない。
 農水省は当該農場や移動制限範囲内の農場への立ち入り調査を実施しているが、一方、全国の鶏農場などに対して、突然の死亡、呼吸器症状など「様子がおかしい死亡例があったらすみやかに関係機関に報告してほしい。農場内で鶏から直接人が感染する可能性もある」と早期発見と注意を呼びかけている。
 79年前の大正14年には、奈良県、千葉県、東京府(当時)での発生が記録されている。 
(2004.1.15)


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