農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス話題の製品

新製品「マルチ味度メーター」を発表
《東洋精米機製作所》



説明する雑賀社長
説明する雑賀社長
 高性能精米関連機器やBG無洗米、金芽米の開発メーカーとして知られる(株)東洋精米機製作所(本社:和歌山市・雑賀慶二社長)では、11月17日、同社の銀座情報センターにおいて、報道関係者らを集め新製品「マルチ味度メーター」を発表した。
 米の食味を測定する「味度メーター」は、平成2年に誕生したが、独自のコンセプトで開発された食味測定機器であることから、大きな反響を呼んだ。以来16年の歳月が経過した。
 この度、発表された新製品「マルチ味度メータ−」の特長は、供試米の味度値だけでなく、「(洗米が不要な)無洗米」か、「(洗米が必要な)精白米」かの判定ができることだ。ということは、洗米の必要な無洗米もある、との奇妙な認識を喚起するものでもあるだろう。
 この「マルチ味度メーター」には、5つの大きな特長が有る。
普通精白米か無洗米かを自動判定=この計測器では、肌ヌカの混入率に比例して、保水膜の性状が変わることに着目し、その保水膜の性状の度合を測定して割り出すため、完全精白米でも不完全精白米でも、肌ヌカの除去が中途半端なものでも、「無洗米」の部類か、単なる「精白米」の部類かを判定することができる。
「旨味やコク」まで味度値に含め表示できる=この計測器は供試米を加水加熱することで、飯粒表面に生じる保水膜の性状を捉えることができるが、単に肌ヌカの混入率だけでなく、いわゆる「旨味やコク」の度合いも捉えて係数化し、コンピューターで算出し、総合的な「味度」として表示する。
この測定器は無洗米でも「味度」が測定できる=味度メーター発売当初は、無洗米が存在していなかった。後年現れた無洗米の保水膜には肌ヌカが混入しておらず、保水膜の性状が良くその量も多い。従って同じ精白米でも、そのまま測定した場合と無洗米処理して測った場合では、後者の方が味度値が高くなる。こうした誤差が生じるため、従来の味度メーターでは、無洗米の味度値測定はできなかった。
 この「マルチ味度メーター」では、精白米・無洗米とも、実状に合った味度値が表示される。
味度測定が従来型より精密に測定できる=従来器では人が、計測容器を押え蓋より抜き取る速度により、5ポイント前後の味度数値差が発生していた。それを機械式で自動的に抜き取る方式にしたため、人的な誤差が生じない。
必要に応じて各種の情報が得られる=オプションで肌ヌカの混入率や、旨味やコクの度合い、搗精度などの情報を、表示することができる、など。
 「マルチ味度メーター」発表会場では、平成18年産の、金芽米ベストセレクトに使われている複数原料米、を実演に使用した。それを普通精白米、BG無洗米、金芽米(均圧精米)、コイン無洗米の4パターンに加工、33g計量し、10分仮炊飯、むらしてからそれぞれ味度値を測定した。
 その結果、コイン無洗米は普通精白米と判定された。味度値では金芽米が84.9と最も高く、次いでBG無洗米が83.4の数値を得た。
 「マルチ味度メーター」MA-90システムの価格は1.180万円(税別、前処理バス、脱却装置、測定器)。米測定容器セット、米充填器、電子天秤、プリンターは別売。来春2月よりの販売となるが、購入予約は開始している。同社では、年間100台の販売を予定している。
マルチ味度メーター
マルチ味度メーター
(2006.11.22)


社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。