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全中の山田専務に決定
−農政連の参院選推薦候補山田氏、
専務辞職し選挙準備に専念へ (5/23)


 全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)は、19年夏に実施される参議院議員選挙全国比例区の推薦候補者をJA全中の山田俊男専務に決定した。
 今回、全国農政連では推薦候補決定にあたって、農政運動組織やJAグループ関係者が自ら選ぶ方針を打ち出し、都道府県組織から推薦を受け付けた。その結果、現職参議院議員の福島啓史郎氏とJA全中専務の山田俊男氏の2氏の推薦があったが、農政運動組織とJA中央会会長・全国機関会長合同会合で、推薦候補者は1名とすることを決め、5月12日から22日まで予備投票を行った。
 開票は23日に行われ投票数298のうち有効投票数は296票で、山田氏が239票、福島氏は57票だった(無効2票)。投票結果を受けて全国農政連の選定委員会で山田氏を推薦候補とした。参院選全国比例区で組織から候補者を出すのは初めてのこと。
 全国農政連では今後、自民党に公認申請を行う方針で、同日、川井田幸一会長らは、自民党の武部勤幹事長や青木幹雄参院会長、片山虎之助参院幹事長に結果を報告、片山参院幹事長は「党としてしっかり受け止めて審議する」と述べた。
 会見で川井田会長は「山田氏は誰もが認めるわれわれの仲間。WTO交渉をはじめ農業は困難な状況にあるが、現状打開と将来の展望を十分に託せる。来夏に向けてJAグループあげて全力で戦っていきたい」と語った。
 山田氏は「2年前の選挙を反省し農政運動と組織強化に向けて推薦候補の選定方法などの検討に携わってきた者自身が推薦されることは青天の霹靂。WTO、担い手づくり、JA改革などに全力を上げており、途中で選挙に出るのは申し訳なく残念でもあるが、組織の圧倒的な推薦をいただいたうえは全力を上げて取り組む決意だ」と語った。
 また、今後はJA、農林漁業の現場に足を運びさまざまな声を聞きたいとし「そうなると二足のわらじでは対応できない。早い段階で専務を降りたい」と述べ選挙準備に専念する意向を示した。辞任の時期については宮田会長と協議のうえ決めるという。そのほか会見の概要は以下のとおり。

■現場に足運び声を聞く

 −−現職の農水OB議員を推薦せず自民党、農水省との関係に影響はないか? 川井田 懸念は持っていない。福島、山田両氏を同等に扱い同じテーブルで全国の審判を仰いだ結果。自民党とは淡々と相談していきたい。農水省とも今までどおり良好な関係を保てると確信している。
 −−農政運動の転換点になるか?
 川井田 今回はJAグループ自らが推薦候補を選んだ。このほうが農協や農家組合員に受け入れられやすいと思う。来年の選挙で農民票、JAグループ票がどうなるかで農政運動のあり方、考え方も変わってくるだろうが、自前の候補を立てたことでしっかり選挙を戦う腹構えができたと感じている。JAグループ全体にしっかり浸透させていきたい。
 −−他の農業団体への支持呼びかけは?
 川井田 選挙戦ではJAグループが中心になり関係団体にもお願いしていく。今回は、農業をきちんと理解できる仲間から出そうという声が非常に高かったことを強調しておきたい。
 山田 JAの組織事業は農業者以外の住民の支持なくして存在できない。農林漁業者だけでなく地域住民の声が地域活性化につながるよう何らかの役割を果たすには、多くの人の支持を得るよう、努力して声を聞きたい。早急に各団体の支持も得たい。
 −自民党に公認要請する理由は?
 山田 政策形成に現場の声を反映したり、農協の制度などについてさまざまな審議会が意見を出していることについて、議員として発言し意思反映を図っていくには与党にいなければならない。また、全国比例区という選挙制度を考えると無所属は考えられない。(今回の推薦候補選出について)反改革と言われるのは不本意。改革は絶対に必要。まさに地域実態に応じた担い手づくりに全力をあげているところ。反改革、反農水省ではない。

■宮田全中会長が談話

 山田俊男氏が全国農政連の推薦候補者に決定したことを受けて宮田勇JA全中会長は23日、予備選の実施により「組織をあげて戦える候補」を選出したと指摘し、山田氏についてわが国の農業、農村、JAのために全身全霊で取り組んできた「生粋のJA組織人」であり、「われわれの代表として国会の場に送り出すことができれば卓越した識見と抜群の実行力で現場の生の声を国政に反映してもらえる。組織一丸となった運動展開で必ず国政の場に送り出したい」との談話を発表した。

(2006.5.25)

 

 

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