農業協同組合新聞 JACOM
   

特集 「食と農を結ぶ活力あるJAづくりと女性達の役割2008」


JA女性 かわろう かえよう 未来のために

座談会
消費者の視点で考える今日の食と農 その2

国産農畜産物をたくさん食べることで
国内農業の活性化につなげたい


座談会の様子@

◆生き物の命をもらって生きていることの大切さを

  石井さんは最近話題になったドキュメンタリー映画「命の食べ方」をご覧になったそうですが、どうでしたか。
 石井 ショックでしたね。台詞が一つもなく、ただ動物が人間に食べられるために飼育され、そしてと殺される姿を淡々と見せられるんです。私はすごく怖かったですし、目を手で覆い隠しながら見るシーンもありました。見終わって改めて考えてみますと、命のあるものから私たちは命をいただいているんだ。だから命をくれている生き物や植物にもっともっと感謝の気持ちをもたなければいけなないと、つくづく思いました。
 それから以前に高名なお料理の先生から鶏肉料理を作るときに「この鶏は人間に食べられるために育てられてきた。だから、どこも余すことなく、心から感謝していただかなければいけない」といわれた言葉を、改めてこの映画を見て思い出しました。命から命をいただいているという思いを持ち続けないといけませんね。
  生鮮食品だとまだ分かりやすいのですが、インスタント食品とか加工食品だと、命から命をもらっているということを忘れやすいですね。
 仲代 シラスとか桜海老とか小さな食べ物は、食べているときに落としたりすると、その落とした何匹かはまったく無駄に死んだことになるのですごく嫌ですね。だから、ジャコサラダなどを食べるときには1匹も残さずに食べようと思いますね。
 石井 そういうことを考えるように教育されたご家庭は素晴らしいですね。
 土肥 家庭や学校でそういうことを教えなければいけませんよね。

◆学校や家庭での教育が大事に

  学校の家庭科で料理を教えたりしますよね。
 土肥 料理は教えてくれますが、肉を大事にとか、命とかは教えてくれませんね。
 仲代 テレビなどでアフリカの草原でチーターとかが獲物を獲っているシーンが出ると、可哀相だなと思ったりしますが、結局、人間は同じことを誰かにやってもらって食べているわけですよね。
  少し生々しいですが、子どもたちに、人間も生き物を食べて生きる生き物であるということを自覚させることも大事でしょうね。
 仲代 アジの開きがそのまま海を泳いでいるとか、切り身の魚はどんな形をした魚か知らない母親がたくさんいますね。
 土肥 母親が知りませんから、魚は切り身で泳いでいると思っている子どもがいるそうですね。
 仲代 私の家では祖母は魚を買ってきて自分で捌いていましたから、魚とか貝がどういうものかを子どもの時から分かっていました。ミル貝などつっついて引っ込むのが面白くて、祖母に「生きが悪くなるからやめなさい」としかられました。今の子どもは、切り身とか寿司屋で出てくる形しか知らないまま育ってしまいますね。昔の人は自分の家で鶏を飼い、何かの時にはその鶏をつぶして羽をむしって調理してたわけで、身近に命をもらっているという感覚があったと思いますが、いまは肉屋さんですからそういう感覚が薄くなりますね。
 土肥 だから、教育が大事なんですね。
 石井 ハンバーグなんかもそうですが、ただ焼けばいいように加工されてしまっているので、元の姿が見えにくいですね。
 土肥 お肉の部位だって知りませんよね。
 仲代 祖母が牛の舌(タン)のごろりとしたのから、タンシチューを作ってました。ちょっと気持ち悪いですが、ほとんどの人は見たことがないと思いますね。

◆作っている人と顔の見える交流をしたい

座談会の様子

  食べ物への思いや命の大切さについてお話をしてきましたが、その命の源を生産している農家の人たちへのメッセージとか、農業への思いがあればお聞かせください。
 石井 農家が農家として専業で経済的に立ち行くように、都会の人たちも考えないといけないと思いますね。減反とか休耕田とかという話を聞くと、何かおかしいなと思いますね。余っている土地があるならそれをもっと有効に活用すればいいのにと思います。農業で報われるものが多いのだということが分かれば、後継者も育ち過疎化もなくなるのではないかと考えています。日本の農業政策を根本から考えなければいけないと思いますね。
  消費者として自分たちができることを探していくことも大事ですよね。
 仲代 私のように近くに畑があっても、農家の人たちが何をしているのかよく分かりませんし、農業ってピンとこないところがありました。でも実父が千葉の田舎で自給自足しているのを見たり聞いたりしているうちに、それは素晴らしいものだなとだんだんに思うようになってきました。だから、身近に農家と交流できる機会が若い人にあれば、興味をもったり大事にしなければと思うようになるのではないかと思いますが。
  私たちの農業への関心の低さが一番の問題であって、関心をもって積極的に情報や交流を求めれば、身近なところにそのツールはけっこうあると思います。それに、都会の消費者は、少し想像力を働かせ、お金を払っても食べ物を得られなくなる時代がくるかもしれないという危機感を抱いてみる必要があると思います。
 土肥 飯田に住むようになってから、作る人の姿勢が見えるのがいいと思うようになりましたね。飯田は干し柿の産地ですが作る人によって味に差がでてくるんですね。そこに生産者の姿勢がみえ、この人なら買おうと思うんです。頑張って自己主張しているものを買い、応援したいと思います。
 石井 作っている人の顔が見えるような交流がどうやったらできるのかなと思います。そして農家の方々の努力によって私たちは新鮮で健康な食材を与えられていることに感謝しているというメッセージをどうしたら伝えられるのかと思います。それから学校教育の場で、校庭の片隅でもいいから花だけではなく、野菜を育てるのも必要ではないかと思いますね。そしてそこでは親も一緒になってやったらいいと思いますね。
 仲代 自然食のお店で虫食いだらけのルッコラを売っていて、そのルッコラを作ったおじさんがそこにいて、サラダにしたら絶対においしいといわれて食べたら本当においしかったんです。その生産者の方がいなければ買わなかったと思うんですね。
  食べ方もわからない野菜もあるので、食べ方とかのメッセージを発信して欲しいですね。そして、私たちも感じたことをJAを通じてでも伝えるとか、お互いに努力することが必要ですね。
 土肥 生産者の名前が表示されていて分かれば、おいしければ次もその人のを買おうと思いますよね。
 石井 スーパーでも生産者の名前と写真を表示しているものもありますね。
 仲代 一緒に「伝言メモ」の紙でも用意したり、農家見学ツアーをしたり、交流する工夫ができたらいいですネ。
  そうですね。生産者からの新たなアプローチを期待しつつ、日本の農業の活性化のためにも、野菜のおかずを一品増やすなど、国産農産物をもっともっと食べるようにしていきたいです。
 今日はありがとうございました。

座談会を終えて
 東京の都心で暮らしている石井さんは、一人暮らしではあるが、3度の食事を、自らこしらえてきちんと摂っている。近隣の農家と積極的に交流している土肥さんは、その交流を通して、野菜の育て方や食べ方など、食に関する知恵を多く学んでいる。そして、ミュージカル俳優として活躍している仲代さんは、忙しいなかでも、自然食品店に足を運び、無農薬野菜を手に入れたりする。お三方の食生活は、納得行く食材選びからはじまっていて、その選びの基準が「地産地消」・「旬産旬消」にあった。ややもすると疎かになりがちな日々の食事を、手間を惜しまず丁寧にこなしていることは、たんなる自分の健康のためではなく、自然の恵みや生産者への感謝があってこそできることだというのを、お三方のことばの節々から感じ取った。(秋)


ピノキオショー2008

仲代奈緒さんが、「ピノキオショー」で主演
 仲代奈緒さんが、劇団キャプテンチンパンジーの「ピノキオショー」に出演する。仲代さんが演じるのは、未来から現代に送られてきたロボットのピノキオ。「夢があって、考えさせられるような作品」と仲代さんは語る。そして、「動きや言葉が制限されるなかで、内面にある葛藤や思いを伝えられたらいいと思います」とも。
 劇団キャプテンチンパンジー(CAPTAIN CHIMPANGEE)の「ピノキオショー2008」は、
2月7日(木)〜11日(月)まで (7日は19時、8〜10日は14時と19時、11日は13時と17時)
東京・シアターグリーンで上演
チケット代金 1人 2500円

仲代奈緒さん扱いの良い座席のチケットが確保されています。希望者は、名前・住所・希望日・希望時間・希望枚数を明記の上、葉書、FAX、メールで下記へ

あて先:〒158−0095 世田谷区瀬田5−26−6
仲代奈緒チケット係
FAX:03−3709−0076
メール:piku0102@ybb.ne.jp

(2008.2.5)

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