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【日植調】
歩行型大豆用除草剤散布機を開発

試験販売に向け実演会開く

植調式大豆用除草剤散布機(歩行型) ほ場での散布実演  (財)日本植物調節剤研...

植調式大豆用除草剤散布機(歩行型)
植調式大豆用除草剤散布機(歩行型)
ほ場での散布実演
ほ場での散布実演

 (財)日本植物調節剤研究協会(=日植調、小川奎会長)は10月7日、同協会の牛久研究所(茨城県牛久市)で、大豆用除草剤畦間散布装置(歩行型)の散布実演会を開いた。
 都道府県専門技術員、普及指導員や関連製剤メーカーなど約70人が参加し、大豆ほ場での散布実演、散布済み試験区の調査などを行った後、検討会を開き散布装置の機能と使用方法、日植調の本年度実証試験概要などの詳細説明を受け、質疑応答した。約3時間におよぶ実演会となった。
 日本では、畑作物の登録除草剤が少なく、特に生育期に全面散布できる選択性をもった葉茎処理剤はわずか。作物への飛散を防ぎ、薬害を最小限におさえつつ、雑草に除草剤を的確に散布できる装置や技術があれば、使用できる除草剤が増える。こうした大豆生育期の雑草防除に活用できる装置の開発が待ち望まれていた。
 日植調では、大豆の除草剤の畦間処理装置を平成17年からヤマト農磁(株)と共同開発に着手し、これまで改良を重ねた結果「植調式大豆用畦間散布装置(歩行型)」としてほぼ完成にこぎつけた。大豆生育初期頃(2葉期頃)〜大豆草丈50cm頃に使用できる。畦間と株間を同時に散布し、生えた雑草を枯らし、新たな雑草が生えるのを防ぐ。
 平成19年度には試作機による現地試験を各地の大豆栽培農家ほ場で実施し、周辺農家の関心も高く、好評を得たという。今年は、東北、北陸でも現地ほ場で実証試験をおこない、実用性を確認している。
 当機の特徴は小型、軽量で散布の高さを調整できること。価格は1台6万円(送料込み)と設定している。活用場面としては、乗用型散布機(つり下げノズルや万能散布バーによる散布)を活用できない小区画、変形区画のほ場。また、大型機を購入できない小・中規模農家も有効活用できる。当散布機が市販されれば、より多くのほ場で除草剤の効率的な畦間散布ができることになろう。
 検討会では各県から「畦間除草に効果が期待できる」「個人管理用に普及できる」「大型機械が入らない所で使える」など、好評価の声が数多くあった。また、サツマイモなど他の品目に活用できる汎用性を期待する要望もあった。さらに、製剤メーカーからは薬剤の使用方法についての助言などがあった。
 当散布機は、来春から試験販売を開始することにしており、ヤマト農磁(株)は購入予約を募っている。

散布をおこなった試験区の調査 実証された散布効果
散布をおこなった試験区の調査 実証された散布効果

(2008.10.09)