アグリビジネス

アグリビジネス

一覧に戻る

【タキイ種苗】
タキイの新品種・春のラインアップ!

元気な『園芸新知識タキイ最前線』

 タキイ種苗(株)(瀧井傳一社長、本社:京都市下京区)が発刊している農業人向け...

タキイ最前線

 タキイ種苗(株)(瀧井傳一社長、本社:京都市下京区)が発刊している農業人向け情報誌『園芸新知識タキイ最前線』2009冬春号(季刊)が、「同社の新品種・春のラインアップ!」を特集し話題を呼んでいる。
 取り上げられたのはトマト『桃太郎ギフト・桃太郎サニー』、台木用トマト『グリーンガード』、キュウリ『Vアーチ』、台木用メロン『ダブルガードEX』で、タキイ研究農場の4氏がやさしく、分かり易く解説している。
 トマト『桃太郎ギフト』、『桃太郎サニー』は、いずれも葉かび病耐病性(Cf9)をもつ夏秋雨よけ栽培用品種。解説している福永寛さんは、「それぞれの産地に合った品種選定が大事」だという。
 07年より試作番号「TTM−003」(ギフト)、「TTM−011」(サニー)で試作展開を行い、夏秋雨よけ栽培の主力産地では08年から本格的な導入が進んでいる。

 台木用『グリーンガード』を紹介しているのは、「タキイ最前線」でもお馴染みの横川武弘さん。同品種の最大の特長は、「青枯病やコルキールートに非常に強いだけでなく、萎凋病レース3にも高い耐病性を発揮する」ことだという。
 さらに、「幼苗期の胚軸の色が緑色であり、穂木品種(紫色)との識別が容易であることから、接ぎ木の間違いが発生せず、育苗業者や自家育苗する生産者にも安心してお使いいただける」メリットを強調している。
 「耐病性と省力性に収量性を兼ね備えた品種で、安定多収をねらう産地に対応した期待の新品種」と、夏秋用キュウリ『Vアーチ』の横顔を語るのは、木村哲(さとる)さん。
  側枝発生は安定し、側枝の連続雌花性は4月まで70%〜80%以上と高いため、収量性は他社非耐病性品種と比べても遜色なく、初期から安定して多収になるという。
 最近、取り巻く環境が厳しく、年々作付面積が減少している作物は少なくないが、ここに取り上げるメロンもその1つ。
 原因の1つに、メロンフザリウム菌のレース分化により、従来の耐病性品種が罹病化するメロンつる割病が挙げられる。さらに、土壌伝染性ウイルスによるメロンえそ斑点病も全国に広がりつつあり、ポスト臭化メチル・技術が模索されるも、被害の拡大が懸念されている。

「ダブルガードEX」は、メロンつる割病(フザリウム)レース0、1、2、1,2yとメロンえそ斑点病(MNSV)にも強い複合耐病性の共台木。うどんこ病にも比較的強い耐病性を示す
「ダブルガードEX」は、メロンつる割病(フザリウム)レース0、1、2、1,2yとメロンえそ斑点病(MNSV)にも強い複合耐病性の共台木。うどんこ病にも比較的強い耐病性を示す

 タキイ種苗では、これら産地の状況に対応すべくメロンつる割病の全レースに耐病性の『タイトガード』と、メロンつる割病に加えメロンえそ斑点病にも耐病性の複合耐病性台木『ダブルガード』を開発し全国各地で利用されているが、まもなく、複合耐病性で『ダブルガード』より草勢の強い『ダブルガードEX』を上市する。「産地によっては草勢がおとなしい」(同)といった相談があり、これに対応したもの。
 複合耐病性で『ダブルガード』より草勢の強い『ダブルガードEX』を紹介したのは、堀井清史さん。
 同社では、土壌条件や作型、穂木品種などさまざまな生産者ニーズに対応するため、台木に草勢のバリエーションをもたせることを目的に改良を進め、このほど新商品の市場投入に入る。

 

 

(2008.12.01)