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【柿沼育種センター】
ハクサイ根こぶ病対策に朗報 地域農業の振興に大きく貢献

 『平成20年度(第9回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰』で、農林水産大臣賞...

 『平成20年度(第9回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰』で、農林水産大臣賞に柿沼育種センター(群馬県邑楽郡)代表の柿沼昭博さんが輝いた。功績名は「ハクサイの根こぶ病等の耐病性品種の育成」。
 ハクサイの生産農家を長年悩ませ続けている根こぶ病。土壌中の糸状菌が原因で発病し、ほ場に蔓延すると収穫が皆無となることが多く、ハクサイ栽培にとっては重大な難防除病害となっている。
 同病害を回避するために、ほとんどの産地が土壌消毒を行っているが、環境汚染や人体への影響などから耐病性品種の育成が切望されていた。
 同育種センターでは、毎年700以上の交配を重ね、平成7年に満足のいく根こぶ病、芯ぐされ症に強い耐病性品種を完成させた。平成12年に「CR柿沼1号」、「同2号」を品種登録し、さらに、現在ではより耐病性に優れた「黄味85」「黄味77」、「ひろ黄」など「スーパーCR黄味シリーズ」の育成に成功している。
 同シリーズは、特別な発病ほ場以外では土壌消毒を必要としない画期的な品種に位置づけられ、今後も安心・安全が求められていることから、薬剤による病害虫の防除から耕種的防除の傾向が強まっており、ハクサイの安定生産に大きく貢献するものと見られている。
 今回の受賞は、根こぶ病の多発地帯において、この耐病性品種の導入・普及により、産地の復活・再生がはかられるなど、地域農業の振興に大きく貢献したことも高く評価された。

(2009.01.05)