アグリビジネス

アグリビジネス

一覧に戻る

【フードトラスト協会】
国産餌米で育てた鶏卵「こめたま」発売

試食会で「こめたま」を使った卵料理を担当した両料理人 神谷昌孝さん(乃木坂神谷...

試食会で「こめたま」を使った
卵料理を担当した両料理人
神谷昌孝さん
神谷昌孝さん
(乃木坂神谷主人)
陳健一さん
陳健一さん
(四川飯店オーナーシェフ)
  「こめたま」プロジェクトの本格始動に伴い1月22日、赤坂四川飯店において「こめたま」プロジェクトの発表会が開催された。
 当日はフードトラスト協会の徳江倫明代表、常盤村養鶏農業協同組合の石澤直士代表理事専務、試食会で「こめたま」を使った卵料理を担当した神谷昌孝さん(乃木坂神谷主人)、陳健一さん(四川飯店オーナーシェフ)が顔を揃えた。
 食の安全・安心が厳しく問われる昨今、国産の飼料米で育てられた鶏が産んだ卵「こめたま」が注目されている。
 「こめたま」で驚かされるのは、鶏卵の色である。一般的な卵と比べると、黄身の色が「淡いレモンイエロー」というよりも白に近い。これは飼料として国産餌米(米6割、大豆粕2割、その他カルシウム、クサなど)を与えているためであり、自然の色である。薬や添加物の不使用はもちろん、パプリカ色素を飼料に混ぜるなどの人工的な色出しは一切行っていない。
 現在、採卵用の鶏の飼料は、アメリカ産トウモロコシなど輸入穀物を中心とした配合飼料がほとんどだ。これを国産飼料米を中心とした餌に替えれば飼料自給率は70%を超える。また100万haの休耕田で飼料用米の生産をすれば、国内で消費される全ての卵を生産でき、食糧自給率も4%は上昇するとの試算もある。
 卵の生産地帯では、稲作農家が餌米や籾殻を提供し、養鶏農家が堆肥用鶏糞を提供する、という循環型農業を実現できる。それは、輸入物流に伴うCO2の削減をはじめ、減反の緩和、休耕田の復元利用による環境保全など、メリットも多い。
石澤専務
あいさつするトキワ養鶏の石澤専務

 「こめたま」の味は、あっさりとしていて、口溶けが良く旨味が濃厚であり、成分面では、通常の卵よりオレイン酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸が増加している。国産飼料米を餌にすれば、トレーサビリティー面でも安心できる。
 「こめたま」は、安全で美味しくエコロジカルな卵だが、価格は高く6個入りで630円で販売(特撰食材販売サイト「フードトラスト食味選定委員会」が昨年11月より販売開始)されている。
 「こめたま」の生産を担当する常盤村養鶏農業協同組合(トキワ養鶏)では、現在20haの水田で「べこごのみ」や「モミロマン」などの飼料用稲を生産、4000羽の親鶏を飼育しているが、今年は200ha・4万羽の規模拡大を目指している。

(2009.01.29)