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【(独)農研機構】
たい肥原料の通気性測定装置を開発 

 良質なたい肥をつくる決め手は通気性。そのためオガクズなどの副資材を混合して『たい肥原料』とするが、その際に使う簡単な通気性の測定装置を開発したと(独)農研機構の生研センターが6月2日発表した。

agur101s0906110101.gif 家畜ふん尿をたい肥化する際、水分が通気性確保の目安に使われているが、現場での水分測定は時間がかかるし、測定機器がないなどから容易ではなく、調製は作業者の経験に頼っているのが実状。
 このため生研センターは水分ではなく、たい肥原料の通気性そのものを評価する技術を開発した。通気性の確保に必要な副資材の混合量調節を可能にする技術だという。
 平成17年度から通気量とたい肥原料の通気抵抗の関係などの基礎データを蓄積し、また通気性を把握する測定装置を試作し、性能を調査した。
 20年度は測定装置に充填するたい肥原料の量や通気量などの仕様を決め、取扱性を改良し、現地試験をした。 こうして開発した通気抵抗測定装置は、たい肥原料からサンプルを採取し、測定するまでの時間が1回当たり3.5分程度。
 求められる通気性は現場によって異なるため、あらかじめ実際の施設でたい肥化が良好に進んでいる時に、この測定装置でデータを蓄積して置く。
 そして通気性が悪いと判断されるたい肥原料に対しては蓄積データに基づいて良いと判断される状態まで副資材を混合することで通気性を確保することができるという。
 今後は取扱性を向上させながら評価・作業手順などのマニュアルを整備して実用化を図っていく。

(2009.06.11)