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【富士経済】
植物工場、順調に拡大 農林水産業の先進ビジネス市場調査

 富士経済は農林水産業の生産・加工・流通におけるIT、メカトロニクス、エネルギーなど先進テクノロジーの市場規模を調査し、12月6日に結果を公表した。

 調査したのは、植物工場、HACCP支援、農林水産業向けGIS、トレーサビリティシステムなどのシステム・プラント17品目と、搾乳、枝打ち、収穫、田植えなどの各種作業ロボット、無人ヘリ、放射線測定機などの装置・部材18品目の計35品目。このうち23品目で市場が形成され、その規模は286億円(平成22年実績)だった。4年後の27年には22年比で1.3倍となる366億円に成長する見込みで、32年には新サービスも含み全体で1兆円規模に達すると予測している。
 特に注目すべき市場として、植物工場とパラレルリンクロボットを挙げている。
 植物工場(完全人工光型プラントタイプ)は22年に2万平方m、16億円だが、27年には2.2万平方m、17億円になると予測している。植物工場や水産の養殖プラントなどは異業種からの参入が多く、潜在的なニーズは高いが、さらなる市場拡大には自然エネルギーを活用するなどランニングコストを低減させる取り組みが重要だとしている。
 パラレルリンクロボットは従来の多関節ロボットと異なり、シンプルな構造で低コストなのが特徴。22年に基本となる特許技術の期限が切れたため、今後開発や普及がすすむと期待されている。主に食品の包装作業などに利用されており、食品分野での市場規模は10年が100台7億円だったが、14年には580台29億円に拡大すると予測している。
 そのほか成長が見込まれる先進技術として、農業用無人ヘリ、道の駅運営支援システム、などを挙げている。


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