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【デュポン】
農業残滓のトウモロコシ茎葉からエタノールを生産 デュポン

 デュポン社(本社・米国デラウェア州)は11月30日に、米国アイオワ州ネバタで、セルロース系エタノール精製プラント施設の建設に着工したと公表した。

 この精製プラントは、トウモロコシ茎葉などの農業残滓から、年間3000万ガロン(1億1400万リットル)のセルロース系バイオ燃料を生産する見込みだという。
 これは「世界初かつ世界最大規模の商業用セルロース系バイオ燃料精製プラント」で2014年半ばの完成を予定している。
 このプラントにトウモロコシ茎葉を供給するために、デュポン社は、新施設の半径30マイル(約48km)圏内の約500軒以上の地元農家と契約し、19万エーカー(7万6000ha)の面積から、年間乾燥茎葉を37万5000t以上を収穫・貯蔵し、提供してもらう予定だ。
 デュポン社によれば、
「トウモロコシの茎葉は作付けの妨げとなり、苗立ちを遅らせ、土壌窒素を寡占し、しばしば害虫、有害生物、病原菌の温床となる」ので、「多くのトウモロコシ生産農家にとって農業残滓の管理は、穀物の収穫高を最大限にするうえで、重大な問題」になっているという。そういう意味で、このプラントはトウモロコシ生産農家にとっても有効だという。
 また、このプラントにトウモロコシ茎葉を供給する予定の生産農家であるジェイムス・ヒル氏は、このプログラムに参加している農家の多くは「すでに穀物収量の増加など、この農業残滓の管理戦略によるさまざまな恩恵を享受して」おり「農産物の副産物の新市場を開拓し、新たな穀物生産技術を開発していく」と語っている。
 またデュポン社は、テネシー州ノックすビル郊外にあるテネシー大学との共同所有試験施設で、スイッチグラス(イネ科雑草)によるセルロース系エタノール生産技術の実験開発にも取り組んでいる。
 従来捨てられていたトウモロコシの茎葉などの農業残滓がバイオ燃料として活用されることになれば、画期的なことといえるのではないだろうか。


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