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【金右衛門】
地域おこしにひとこと

 公共事業は10年間で半分以下になった。農業・漁業を主な産業とする新潟県のある市では平成10年500億円あった公共事業費が平成22年には200億円になった。
 人口6万人のその地域内の土木会社は107社、建設業者は45社あった。倒産した会社もある。大きな会社ほど従業員を抱えて苦しい情況が続いている。血縁続きの地域だから経営が少々苦しいからといってすぐ社員の首は切れない。

地元の食と農をどう活かすか?

 公共事業は10年間で半分以下になった。農業・漁業を主な産業とする新潟県のある市では平成10年500億円あった公共事業費が平成22年には200億円になった。
 人口6万人のその地域内の土木会社は107社、建設業者は45社あった。倒産した会社もある。大きな会社ほど従業員を抱えて苦しい情況が続いている。血縁続きの地域だから経営が少々苦しいからといってすぐ社員の首は切れない。
 新しく当選した市長も3K政策、(1)雇用重視、(2)過疎化対策、(3)そして観光客誘致をかかげている。
 しかし、日本全体がデフレの不況下では具体策は打ち出せないでいる。冬には雪が降る。除雪作業は地域の建築業者へ発注されるが、作業員はぎりぎりしか確保してない。災害時の安全・安心対策にも綱渡りが続いているという。
 公共事業の減った建設会社は、新しい分野への事業を検討している。農業・漁業分野である。銘柄米つくり、シイタケ、きのこ、マツタケ栽培、ダチョウ飼育、食用ドジョウ養殖、高齢者宅配弁当など様々な分野で事業化を模索している。農家には米づくりがあるからまだ良い。水産業と林業の衰退が著しい。
 そんな中で、国が進めるキッチンプロジェクトに係わった佐渡島の漁協の話がある。冬場は寒ぶりが獲れる。同時に多品種の魚が網にかかる。ぶりは高級魚だから売れ行きに心配ないが、他の魚は鮮魚としては売れない。この少量多品種の“雑魚”に付加価値をつけて差別化するフロンティア事業を建設業者と漁協がコラボで立ち上げた。
 人口調味料を使わない新技術を採用し(1)真空低温調理法、(2)オリーブオイルとラー油を加えてイタリアン風味に。そして、鯵(アジ)、ズワイガニ、真鱈(まだら)のビン詰め3商品が完成した。食味したが欧風で美味しい。ネット販売と東京新宿デパートの地下食品売り場で販売を始めた。切実な地域おこしの製品にもかかわらず、都会の消費者は無関心だ。競争激しい食品業界でどれだけ理解されるだろうか。品質・味・価格が多くの消費者に受入れられなければ継続・生産拡大はおぼつかないだろう。

(2012.09.21)