コラム

消費者の目

一覧に戻る

【花ちゃん】
夏時間で消費拡大

 今年の夏も本当に暑かったですね。冷房嫌いの私ですが、ここ2〜3年はさすがに毎日...

 今年の夏も本当に暑かったですね。冷房嫌いの私ですが、ここ2〜3年はさすがに毎日エアコンのお世話になっています。しかも、お昼寝の気持ちよさを覚えてしまいました。これだけ暑い日が続くと、昼間は外に出るなんてもってのほか。お昼寝して過ごすに限りますね。このまま温暖化が進むと、昼夜逆転して働いたほうが、生産性が上がるかもしれません。
 ヨーロッパでは毎年3月最終日曜日午前1時から10月最終日曜日午前1時までを夏時間とし、全国民が一斉に時計を1時間進めてしまいます。通常の時間で日の出が4時としたら、夏時間では5時になります。逆に、日の入りの時間は後にずれるので、真夏は午後9時過ぎまで明るく、仕事が終わった後、テニスやゴルフなどのスポーツを楽しんだり、散歩をしたりする人をたくさん見かけます。一日が2倍楽しめるような感じです。
 日本でも米国に占領統治されていた昭和23年から夏時間を導入しましたが、統治終了とともにわずか4年で廃止され、結局定着しませんでした。当時、明るいうちに家に帰るなんて、考えられなかったのかも知れませんね。今なら上手くいきそうな気もするのですが。

                           ◇

 今、夏時間を採用したらどうなるのでしょうか。東京都内では、真夏ともなると朝の通勤時間でさえ、気温は25度を超えて30度近くに達しています。会社に着く頃にはもうヘトヘト。これが夏時間を採用すると、もっと涼しいうちに会社に行くことができるわけです。元気一杯で仕事が始められれば生産性は上がるはずです。仕事はどんどんはかどるでしょう。
 そうすると、残業の必要はありませんから、会社を早く出ることになります。今より自分の時間が持てるようになるわけですね。その時間でスポーツをしたり、映画を見たり、美味しいものを食べに行ったり、呑みに行ったりするから国内の消費が増えます。今より家に早く帰るようになるから、夕食を子供と一緒に食べる。そこに家族のコミュニケーションが生まれます。いじめの問題や不登校なども改善に向かいそうな気がします。何だかいい方向に行きそうじゃありませんか。
 ウイークデーに楽しむ人が増えると、週末はむしろゆっくり過ごす雰囲気になるでしょう。休みの日は台所に立ち、料理の腕前をふるう男性が今より増えれば、野菜の消費量はアップするでしょう。ウイークデーも体を動かすから、お米の消費も増えます。美味しいものを食べたい人が増えれば、こだわりの食材のニーズだって増えるかもしれません。でも、朝採り野菜を出荷している農家さんはもっと暗いうちから出荷作業をしなければならなくなり、今より大変になるかな…。
 こんなことを考えながら昼寝をしていると、太陽はすっかり傾いて、昼間とは比べ物にならないくらい過ごしやすくなっています。たっぷり寝たし、そろそろ動き出すとしましょうか。

(2008.09.17)