コラム

消費者の目

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【花ちゃん】
「漢字」に経済効果?

 久しぶりに近所の書店に立ち寄ったら、漢字に関する本がたくさん置いてありました。...

 久しぶりに近所の書店に立ち寄ったら、漢字に関する本がたくさん置いてありました。その中でも「読めそうで読めない間違いやすい漢字」という本が一番の売れ筋らしく、書籍のインターネット販売大手amazon.co.jpでもランキングの上位に入っていました。文字通り読めそうで読めない漢字が満載で、麻生首相が読み間違えた漢字も載っています。意図して読み間違えた訳ではないと思いますが、国民に「この位の漢字は読めないとまずい」と思わせくれたことは「怪我の功名」と言えるかもしれません。
 この時期に「読めそうで読めない間違えやすい漢字」というタイトル。タイムリーに出版した作者と出版社の企画力には脱帽します。

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 家庭でも会社でも電子メールでのやり取りが手紙やFAXにとってかわりました。文字を書くことが少なくなり、漢字は読めても書けなくなっていることに愕然とします。
 最近の携帯電話にしてもパソコンにしてもローマ字で読みを入力すると、さっと漢字に変換してくれます。特に携帯では、キーボードが使えない分、入力の手間を極力減らそうとして、前の言葉から次の言葉を予測して文章の候補まで表示してくれます。たとえば、「ありがとう」と打つと、自動的にそれに続く言葉「ございました」を候補として表示してくれるという具合です。使う側は選ぶだけ。入力の手間を大幅に減らすことができるようになりました。本当に便利な世の中ですが、依然として変換間違いはあるようで、人間の出番はなくなりそうもありません。

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 財団法人日本漢字能力検定協会が行っている年間変換ミスコンテストに応募された作品(?)には、変換ミスの名作がずらりと並んでいます。「馬食い家内が象サイズになった」という文章は、「うまくいかない画像サイズになった」の変換ミス。「○○さんの質問は幼虫以下と思います」は「○○さんの質問は要注意かと思います」が正解です。「何かと胡散臭い時がある」が「何か父さん臭い時がある」に変換されちゃったら、思わず笑ってしまいますよね。
 うまく変換できないとイライラするものですが、逆に変換ミスで遊んでしまおうという漢字検定協会の企画に拍手です。インターネットのオンライン投票によるコンテストですが、興味があればぜひ応募してみてください。

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 テレビ番組でも漢字をテーマにしたクイズが増えました。お笑い芸人チームとゲストチームが様々なタイプのクイズに挑戦する番組でも漢字の読み問題は人気です。初めはやさしい問題から始まるのですが、ステージが進むごとに難読漢字が出題されます。
 家族で見ているうちに自分たちも引き込まれて結構熱くなります。何かと物議を醸した麻生総理の読み間違いですが、漢字への興味を再び持つ人が増えたことは非常に喜ばしいことだと思います。漢字検定の受験者も増えたかもしれませんね。そのうち誰かが麻生首相の読み間違いの経済効果を計算して、どこかで発表するのではないかと密かに期待しています。

(2009.03.02)