近くの農協直売所にお気に入りの生産者のイチゴが並ぶと、「年末も近いなあ」という気持ちになります。このイチゴはとても甘くておいしいので、我が家では何もつけずにそのまま食べていましたが、ある時、このイチゴでショートケーキを作ってみようということになりました。そのまま食べてもおいしいのだから、ケーキにしたら夢のような味になるに違いないと思ったのでした。

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　とっておきのコーヒーを淹れ、わくわくしながら最初の一口を食べた瞬間、「なんだか違うな」と思いました。イメージしていた味と違っていたのです。スポンジと生クリームとイチゴが溶け合っていない感じ、パンチが効いていない「ぼんやりした」感じがしました。
　それもそのはず、私が使ったイチゴはそのまま食べるとおいしいイチゴだったのですが、ケーキ用のものは酸味が利いている方が良いのだそうです。ケーキ店のショートケーキのイチゴを引っぺがしてそれだけを食べると、確かにかなり酸っぱいことが分かりました。
　生クリームに負けないイチゴの酸味がケーキの味を引き立てていたのです。

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　ジャム用のイチゴも甘くない方がいいという話を聞きました。こちらは後で砂糖を加えて味の調整が可能だからだそうです。加工品の場合はどのロットを食べても同じような味がすることが重要なので、必ず甘さの調整を行うのだそうです。だから、最初から甘すぎると困るのですね。本当に食べ方、使い方によってニーズは様々です。