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【佐賀県農協中央会会長】
中野吉實

 4月26日に東大弥生講堂で開かれた農業協同組合研究会のシンポジウムで現場報告。20年産の生産調整で県間調整に応じて7500トン分の転作拡大をした佐賀県から、今後の農政について提言した。今回の県間調整では「行政側から産地づくり交付金など生産者が望む水準をきちんと示してもらえるかどうか」が生産者の合意を得るうえで重要だったことを強調。背景には米づくりへの思い入れは強くても現在の米価では経営が成り立たないという現実に対して、これまで麦、大豆の作付け誘導と共同乾燥施設利用など産地一丸となった取り組みがあったことを紹介、会長として「これからの水田農業のあり方を考えようと呼びかけた」という。 ただ、「今...

 4月26日に東大弥生講堂で開かれた農業協同組合研究会のシンポジウムで現場報告。20年産の生産調整で県間調整に応じて7500トン分の転作拡大をした佐賀県から、今後の農政について提言した。今回の県間調整では「行政側から産地づくり交付金など生産者が望む水準をきちんと示してもらえるかどうか」が生産者の合意を得るうえで重要だったことを強調。背景には米づくりへの思い入れは強くても現在の米価では経営が成り立たないという現実に対して、これまで麦、大豆の作付け誘導と共同乾燥施設利用など産地一丸となった取り組みがあったことを紹介、会長として「これからの水田農業のあり方を考えようと呼びかけた」という。 ただ、「今回の件を通じて農業者と農業団体が主体となった生産調整はもう終わったと思っている。今回も行政がきちんと条件を示さなければできなかった」と指摘し、原油、肥料・飼料価格高騰という状況では「農業者が何とか対応できるような時代ではない。農業団体がひとつになってきちんと国に対して政策を要求していくかたちになっていかないと、農業者はつぶれてしまう。しかも政策が国民的なコンセンサスを得ているかどうか。そこが問題になる」などと話した。(「第7回シンポジウム 水田農業の確立と農協の課題 報告」から)

(2008.05.07)