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【日本農業労災学会会長、労災予防研究所長、東京農大客員教授】
三廻部 眞己 氏

 「日本では農民の健康管理は進んでいるが、農作業事故の研究は遅れている。人間愛に欠けているのではないか」。4月8日に設立された日本農業労災学会の初代会長に選任され、農作業事故防止、労災補償対策をすすめたいと語った。

 三廻部さんは元JA神奈川県中央会の職員。農作業事故の問題を40年以上研究し続けてきた第一人者として、農作業事故防止と農業者の労災加入の運動を続けてきた。
 創立総会では、発起人代表として学会にかける意気込みを語った。
 「真剣に農作業事故ストップをめざした研究を行う学会」も、「農作業事故を研究した本」もなく、これでは事故が減るわけがないと強調する。
 三廻部氏は事故防止のための安全管理は「注意力」が結論だったことに問題があると指摘する。危険を避けるため、注意しろ、というだけでは抽象的すぎる。しかし、「注意して事故が起こったらどうするのか。注意しろは“禁句”にしてほしい」と提言する。
 また、JAに対しては、「JAは、農作業事故防止を営農指導の柱にしなければならない。JAはこれを運動として展開してほしい。これが農協と組合員の絆を強めることにもつながる」と期待を寄せる。


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(2014.04.21)