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【農協人文化賞選考委員会委員長、東京大学名誉教授】
今村 奈良臣 氏

 農協人文化賞は創設以来、実に36周年を迎えた。三分の一世紀を超える時を刻んだ歴史の重みを踏まえつつ、ここに本年度受賞者のみなさんの輝かしい業績を讃えたい。

声価高まる文化賞

 

 さて、農協人文化賞は農業協同組合法施行30周年を記念して創設され、実にこれまで356人にのぼる農協運動のすぐれた先達を表彰してきたのであるが、創設30周年を記念してその表彰事業のあり方を抜本的に改革し、新しいスタートを切ることにした。本年はその改革の7年目に当たる。
 第1に「農協運動の仲間達が贈る」農協人文化賞事業へと大幅に衣替えしたことである。従来は、(社)農協協会の文化事業の一環としてこの表彰事業を行ってきたが、「農協運動の仲間達が贈る」文化賞へと発展、飛躍し、農協運動の視野を広げるとともに、文化賞のもつ社会的意義と農協運動の更なる発展に寄与しうるように全面的に改革したのである。
 第2に、それまでの表彰の対象を「信用」「共済」「経済」「一般文化」の4部門としてきたものを、「信用」「共済」「営農」「経済」「厚生」「福祉」「一般文化」「特別賞」などへ大幅に拡充した。
 第3に、受賞候補者を従来の農協全国組織等からの推薦にとどまらず広く農協関連団体、個人など農協運動の仲間達からのご推薦をいただくこととし、これまで以上に大きく裾野を広げ、まさに、「農協運動の仲間達が表彰する」事業へと拡充・発展させたことである。
 第4に、農協人文化賞「推薦」委員会を「選考」委員会に改組したことである。なお、(社)農協協会は、引き続きこの事業の事務局を担当し、この事業の財務に責任を負うとともに、事業の独立性を確保するため、事業にかかる会計を特別会計として公開するなど、「農協運動の仲間達が贈る農協人文化賞」という改革にふさわしい自立性の高い文化賞へと発展させたことである。
 第5に、「農協運動の仲間達が贈る」という観点に立ち、毎年、農協団体等ならびに個人・有志の浄財を募ることとし、ご支援を頂いた団体ならびに個人の方々の氏名及び募金額の総額を公表、公開することとした。
 以上、5点にわたる大改革を6年前に実行したが、この結果、この農協人文化賞に寄せられた昨年度の浄財は個人117人、団体100団体、金額は395万円の多額にのぼった。まさに、「農協運動の仲間達が贈る農協人文化賞」と呼ぶにふさわしい姿になるとともに、社会的に高く評価されている証左といってもよいであろう。
 本年は、以上のような新路線を踏まえたこともあり、各界からの推薦は昨年に劣らず多数に上ったため、受賞者の選考は熱気の中にも慎重に進められ、この面の写真に掲載させていただいた19氏を受賞者として決定した。なお今年度も、東日本大震災からの復興を祈念して「震災復興特別賞」を設けた。
 受賞者の御紹介は紙数の制約でここでは省略せざるを得ないが、各頁に掲載させて頂いた受賞者の所信表明と色紙をあわせて参考にしていただければ幸いである。受賞者の皆さん、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。


(全19人の受賞者の「体験と抱負」は、6月23日以降、man人womanのコーナーにて随時紹介します。)

(2014.06.20)