農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

平成20年度JA共済優績組合表彰式

455JAを会長表彰
「3Q訪問プロジェクト」を基軸に実績

 JA共済連は5月14日、平成20年度JA共済優績組合表彰式を開催した。20年度はJA共済大賞3JAをはじめ、JA共済連会長賞455JAを表彰。恒例の特別感謝状とみどり国民年金基金感謝状も対象JAに贈呈された。
 世界規模の経済不況のなか、JA共済事業は「3Q訪問プロジェクト」を基軸にした取り組みを進め、生命共済・建物更生共済合計で30兆2145億円の実績を挙げた。21年度は現3か年計画の最終年度であり「組合員・利用者に選ばれ信頼されるJA共済」の実現に向けた取り組みをいっそう強める。

zennkyousai.jpg高まる安心・安全への願いに応える

 20年度は北京オリンピックでの日本人選手の活躍や、ノーベル賞の日本人受賞など明るいニュースも注目されたが、一方では昨年秋以降、米大手金融機関の破綻に端を発した金融不安から世界規模で経済不況が広がった。 また、宮城・岩手の内陸地震や神戸での集中豪雨など国内では大規模な自然災害も発生、人々の間に暮らしへの安全・安心への願いが高まっている。
 今年も東京・日本橋浜町の明治座で開催された表彰式で、安田舜一郎JA共済連経営管理委員会会長は、平成20年度は「JAとJA共済を取り巻く環境は過去に例のない厳しいものになった」とあいさつで述べ、世界規模での経済不況と国内での雇用不安が広がっていることを指摘した。
安田JA共済連会長 また、共済保険業界では銀行等の保険窓口販売の全面解禁に加え、損保業界では「業界再編の動きが再度活発化するなど、より一層競争が激化する情勢となっている」。
 さらにWTO農業交渉について、現在提示されている議長案では「わが国の食と農の根幹が崩れていく恐れがある」として「何としても多様な農業の共存を可能とする新たな農産物貿易ルールが確立されるよう全力を挙げて取り組まなくてはならない」とJAグループを取り巻く情勢認識を強調した。
 こうした厳しい状況のなか、20年度のJA共済の普及推進では、生命共済で全国目標を大幅に超える実績を挙げるなど、生命・建更合計で30兆2145億円を挙げたほか、自動車共済では新車販売台数が大きく減少しているなかでも、件数・掛金とも前年度を上回る実績を確保し、また、医療系共済や「ニューパートナー」獲得の取り組みも積極的に展開した。
 安田会長はこうした成果について「『3Q訪問プロジェクト』を基軸とした取り組みを系統役職員が一丸となり、たゆまぬ努力と英知を結集していただいた結果」と強調した。
 また、共済金支払額は過去最高の4兆598億円となり、全国の組合員・利用者の生活の支えとなった。
 このような20年度の取り組みと実績をふまえ、安田会長は21年度のJA共済事業について、3か年計画の基調として掲げている「組合員・利用者に選ばれ信頼されるJA共済」を実現するため、▽3Q訪問活動の完全実施と▽コンプライアンスの徹底、を基軸とした「創意工夫ある取り組みを強力に進めていくとともに、新たな3か年計画に向けた基礎づくりに取り組む」ことを強調した。

新たな輪を広げる

茂木JA全中会長 今年10月には第25回JA全国大会が開催される。大会議案では「新たな協同の創造」を掲げた。
 来賓としてあいさつしたJA全中の茂木会長は「最近の厳しい経済情勢のなか、国民の安全・安心への願いが強くなっている。今後とも組合員・利用者の信頼と期待に応える安心と満足のJA共済の提供を」と期待を寄せるとともに、第25回JA全国大会議案について、「地域経済の格差が拡大するなか、JAには農を基軸とした地域にねざした協同組織としての役割発揮が期待されている。地域住民、消費者など多様な人々と多様なネットワークを構築することによって新たな輪を広げることが求められている」と語り、今後のJAの事業のあり方について、JA共済を含め「すべての事業が心をひとつにして取り組む必要がある」と語った。
 表彰式には石破茂農林水産大臣と金子一義国土交通大臣が祝電を寄せた。また、国際協同組合保険連合(ICMIF)からも「JA共済は世界最大の共済組織。73か国212会員組織の手本となっている。今後も力強い保障と安心をもたらすことを確信している」とのメッセージがショーン・ターバック事務局長から寄せられた。
 表彰式では「JA共済大賞」受賞の3JAのほか、「特別優績表彰」、「新契約優績表彰」、「普及活動優績表彰」、「連続受賞優績表彰」受賞JAのそれぞれ代表JAに表彰状が授与された。また、特別感謝状が45JAに、みどり国民年金基金感謝状が3JAに贈呈された。
 JA共済大賞を受賞したJA遠州中央の長谷川鍵一経営管理委員会会長は「大変、厳しい状況のなか、LA、職員一丸となった結果。大変うれしい」と語り、今後のJA事業について「地域を3つの区域に分けて地域ごとに特色を深めながら事業を展開。たとえば、特産の茶の生産、販売も良質なお茶づくりと手頃な価格での販売に努力している。
 農業経営は大変厳しい状況で高齢化も進んでいる。共済事業の環境も厳しいが、みなさんに満足していただける共済の推進と健全な経営をめざしていきたい」と語った。
 また、JAあいち知多の平野重良代表理事組合長は大賞受賞について「自信はなかったが、顧客満足の推進が職員のモチベーションを上げると考え、CS推進に取り組んでいるなか3Q訪問活動とマッチングしたことが大賞につながったと思う。大変感謝している」と述べ、今後の事業について「農業を基軸として地域社会に貢献するためにいろいろな事業企画をしている。合併から10年を迎え、記念事業も含め共済事業を始めとした事業でしっかりと地域に貢献していきたい」と抱負を述べた。
 2年連続の大賞受賞となったJAあいち豊田の奥田克也代表理事組合長は「生保、損保との競争が激しいなか、利用者にJA共済を将来の安心・安全として選んでいただいたことに感謝している」と感想を述べ、「共済事業は変わり目に来ているという感じももっている。どういう商品がニーズに合っているか、そういう政策やわれわれの推進の方法も含め、とくにチェンジと言われているが、農協運動のなかで共済事業というものの事業としての位置づけをきちんとしながら原点に戻って新しい展開をしていかなければならないと思っている。また、来年もこの場に来られるようにがんばりたい」と意気込みを語った。

 

 

大賞を受賞しあいさつをする長谷川鍵一JA遠州中央会長(左)、平野重良JAあいち知多組合長(中央)、奥田克也JAあいち豊田組合長(右) JA共済大賞
▽JA遠州中央(静岡県)、▽JAあいち知多(愛知県)、▽JAあいち豊田(同)
 特別優績表彰
▽JAいるま野(埼玉県)、▽JA横浜(神奈川県)、▽JAぎふ(岐阜県)、▽JAめぐみの(同)、▽JAなごや(愛知県)、▽JAあいち中央(同)、▽JAあいち三河(同)、▽JA兵庫六甲(兵庫県)、▽JA兵庫南(同)、▽JA兵庫西(同)、▽JAたじま(同)、▽JAならけん(奈良県)、▽JA岡山(岡山県)、▽JA松山市(愛媛県)、▽JA福岡市東部(福岡県)、▽JA福岡市(同)、▽JAふくおか八女(同)、▽JAさが(佐賀県)、▽JAおきなわ(沖縄県)

(2009.06.01)