農政・農協ニュース

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風評被害収束まで長い道のり 震災前と同じように選んでほしい  有楽町で直売会

 JA全農、コープネット事業連合、東京都の3者は風評被害や震災に苦しむ産地を応援しようと5月14日、東京・有楽町の東京国際フォーラム地上広場で農畜産物直売会を開いた。

秋田俊毅JA全農常務 イベントのテーマは「日本を、食卓から元気にしたい。生産者応援のつどい〜支えあい、ともに乗りこえよう!〜」。
 関東近辺の1都7県(茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、東京、新潟、長野)の生協とJA全農県本部が出品する農畜産物のほか、1本につき1円が寄付される東北協乳の義援金付き牛乳「東北のみんながんばろう牛乳」などの販売と、餅つき、被災地応援クイズなどを行った。
赤松光コープネット事業連合理事長 生産者を代表してJA全農の秋田俊毅常務理事は「3500万人の首都圏の皆さんに安心安全でおいしいものを届けていくので、震災前と同じように国産品を選んで買って食べてほしい」と呼びかけ、JAグループは協同組合の基本理念である相互扶助の精神に則って「運動の第一義として復興に取り組んでいく」姿勢を示した。
 コープネット事業連合の赤松光理事長は、「風評被害の収束には長い時間がかかるだろう。正確な情報をしっかり伝えることで被災地の農畜産物の利用を広げ、日本を食卓から元気にしたい」と消費者団体としてどう産地を支援するかについて述べた。
 東京都の岩田哲安心安全地産地消推進担当部長は「これまで首都圏に食料を提供してくれてきた一大産地の窮状に対して、何ができるか。食べることで生産者に元気を伝えられるよう、努めたい」と述べた。
 出展者からは「風評被害は収まってきたとの一部報道もあるが、実感はまったくない。依然として価格は上がらないし、売れない」との苦境も述べられたが、「このようなイベントに来るたびに元気をもらえる」と感謝する声も。
 会場には、被災地への応援メッセージを記すメッセージボードが設置され、「たくさん作ってください。どんどん食べます!」、「日本の農畜産物は世界の誇りだ」、などと集まった人々が思いを綴った。

 「日本を、食卓から元気にしたい。生産者応援のつどい〜支えあい、ともに乗りこえよう!〜」  「日本を、食卓から元気にしたい。生産者応援のつどい〜支えあい、ともに乗りこえよう!〜」

(写真)
(上から)秋田俊毅JA全農常務、赤松光コープネット事業連合理事長

(2011.05.16)