農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

最先端の食品機械などが一堂に 節電・省エネの特別展示も  FOOMA JAPANが開幕

 国内最大級の国際的食品機械工業の展示会「2011国内食品工業展 FOOMA JAPAN」が6月7日に開幕した。34回目となる今年のテーマは「つくります! 美味しい未来」で、645社が出展。今年は食品工場の省エネ・節電などをテーマにした特別展示のほか、東北の食品産業を応援しようと「がんばれ東北物産展」も併催した。

 今年は福島第一原発事故による電力不足を懸念し、開場時間を一部短縮して開催したほか、会場内の照明や電力を抑えるなどの節電対策を行った。
 特別企画として「食品工場の省エネソリューション」をテーマに「今からでも夏に間に合う節電・省エネ策」をパネル展示し、工場内から事務所まで6カ所のポイントごとにどうすれば1kw節電できるかなどの提案を行った。展示品の中でも、節電・節水・省エネなどをうたった機器が多かった。


◆発売前の注目商品も数多く出展

 FOOMA JAPANでは、各メーカーの発売前の新製品の参考出展も数多くある。
クボタのブース。
 クボタは年度内の発売をめざす玄米・白米用色別選別機「選別王」(KG-S 50X)を出展した。同社8代目となる色別選別機で、処理能力は1時間あたり2.1トン。着色粒・未熟粒などの不良米や、ガラス、石などの異物をすべて1次選別のみで処理できる。また生産者が使い易いようにと、大型の液晶パネルを搭載し、操作もボタン1つでできるなど非常に簡単だ。価格や発売時期などはまだ未定。
サタケのブース。 サタケは、東日本大震災の被災地や備蓄食材として大活躍した、水をいれるだけですぐに食べられるレトルトごはん・マジックライスの新商品を展示した。従来は一定量の水にしか対応していなかったが、新商品は水の量を変えることでかためのごはんやリゾット風など好みの食べ方に変えられ、味のラインナップも牛メシやチャーハンなど9種類へ大幅に増やし、9月に発売する予定。現行の商品は震災後、企業や団体からの問い合わせが殺到したため在庫がほとんどなくなり、約1カ月先の出荷まで予約で埋まっているほどの人気だ。

静岡製機のブース。 ニューロングのブース

(写真)
上から、クボタ、サタケ、静岡製機、ニューロングのブース。


◆米粉、加工ごはんなど米利用の最新技術でフォーラム

 7日に行われたフォーラムは「お米、炊飯そしてご飯―お米にまつわる最近の技術―」がテーマ。研究者、メーカーなど7人が、炊飯技術の進化や炊飯器の最新技術などについて発表した。
 農研機構の松倉潮氏は「米粉の利用技術」として、米粉を使ったパン・メン・洋菓子を紹介。「ほとんどすべての小麦粉食品に米粉が代用できる。天ぷらなど一部の用途では、油を吸収しない米粉の方が小麦粉より優れている」とその汎用性と有用性を述べた。
 テーブルマーク(株)の水流まり子氏は市場規模1170億円になる加工米飯のトレンドについて発表した。1970年代前半に発売された冷凍ごはんの生産量がここ10年ほど15万トン前後で安定している中、1980年代後半に発売されたパックごはんの生産量が急増していることを紹介。「今後も個食化がすすめば、パックごはんの市場はさらに拡大するだろう」と見込んでいる。

(2011.06.08)