農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

島野菜の生産振興めざし新プロジェクト JAおきなわ

 JAおきなわは伝統野菜の生産振興と消費拡大に向け、県内のローカルチェーンとして総合小売業を展開する(株)サンエーと県中央卸売市場、1町1村の5者と連携した新しいプロジェクトをスタートした。

プロジェク発足の記者会見 JAおきなわは今年2月、県内農業生産の活性化と県産農畜産物の消費拡大を目的に、(株)サンエーと提携協定を結んだ。その第1弾となったのが今回の「うちなー(沖縄)昔ながらの野菜生産振興プロジェクト」。地域の食文化と根強く結びついてきた伝統野菜の地産地消を図ろうという取り組みだ。
 今回プロジェクトに参加する西原町、中城村(なかぐすくそん)が生産振興をめざす農作物をJAと連携することで産地化し、町村の特産品に成長させたい構想。
 西原町ではシマナー(カラシナの一種)と野菜パパイヤの生産振興に取り組む。耕作放棄地の解消を目的に昨年11月に町とJAが立ち上げた「西原ファーム」が中心となり、23年度は4トンだった生産数量を今年度は49トンにすることを目標にしている。これまで生産していなかった野菜パパイヤはハウスを導入し、25年度には生産量25トンをめざす。
商品化をめざす「シマナーそば」 またシマナーは生産振興と合わせて、加工品への活用でより一層需要を広めていくとして、現在試作品となっているシマナーを練り込んだ「シマナーそば」の商品化にも取り組んでいく。
 中城村では高齢化により作付面積が減少傾向にある代表的な伝統野菜、島ニンジンの生産振興に取り組む。系統選抜による種類の統一を図りブランド化につなげることが目的だ。今年度は昨年より8トン増の50トンを目標としている。
 JAは町村への営農指導や営農・出荷計画での支援を中心に、生産現場と販売の間に入って情報提供を担い、サンエーは販促活動の売り場提供や商品開発での指導・アドバイスなどで支援する。
おきなわ伝統的農産物 「おきなわ伝統野菜」は地域独特の品種として古くから栽培され、伝統的に食べられてきた沖縄固有の野菜や果物のこと。県農林水産部では今回プロジェクトで力を入れていく3品目のほか、ゴーヤーや紅イモ、島ラッキョウなど28品目を「おきなわ伝統的農産物」に指定している。
 中部地区営農センターは「生産量の拡大はJAだけではできないので町村、小売との連携でうまくやっていきたい。生産拡大をはかることは伝統野菜を後世に伝えていくことにもなるのでは」と話している。

(写真)
上:プロジェク発足の記者会見(中央がJAおきなわ砂川博紀理事長)
中:商品化をめざす「シマナーそば」

(2012.06.04)