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市販用介護食の生産伸びる  日本介護食品協議会

 食べやすさに配慮した食品として介護食などにも使用できる「ユニバーサルデザインフード」(UDF)の生産が量・金額ともに伸びていると日本介護食品協議会が7月13日発表した。

 「ユニバーサルデザインフード」とは日常の食事から介護食まで幅広く使用できる食べやすさに配慮した食品で、同協議会が制定した規格を満たす商品のこと。平成20年は345アイテムだったが24年5月末現在は802アイテムの登録があり、その数は年々増えている。

◆「かまなくてよい」タイプが伸長

 同協議会の会員企業47社を対象に平成23年のUDFの生産統計を集計したところ、生産量は7908トンで前年比115%、生産金額は93億2800万円で同112.5%と大きく伸びた。
 特にかむ力や飲み込む力に合わせて4つに分類している区分別に見ると、固形物が食べづらい人向けの「区分4(かまなくてよい)」の伸びが目立っている。
 また、市販用に多い常温タイプの生産量は3858トンで前年に比べて645トン増え、乾燥・冷凍タイプの食品に比べて大きく伸びている。販売先も業務用が8割近くでメインとなっているものの、市販用としても年々増加しており、同協議会は高齢化の進行によって今後必要になってくる商材であるとの動きが後押し、流通関係者から量販店などへのUDF商品の積極的な販売提案が背景にあるとみている。

「ユニバーサルデザインフード」の生産量・生産金額の推移

◆利用者への認知度高まる

 介護食品やUDFの認知度について一般消費者1000人にインターネット調査を行った。
 介護食品が市販されていることを知っているという人は全体で34.2%で前回調査(22年5月)の34.0%から変化はなかったが、食事介護が必要な人がいる世帯では前回の31.3%から51.1%に伸びた。
 またUDFについても全体の認知度は6.8%であるものの、食事介護者のいる世帯では17.0%で前回の9.4%から増えており、介護食利用者層への浸透は高まっているようだ。
 同協議会は今後の課題として一般消費者への啓発にも力を入れていきたいとしている。


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