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民間金融団体らが住宅ローンの特別控除拡大など要望

 JAバンク、JFマリンバンクなどを含む民間金融8団体は12月12日、25年度予算の概算要求の中で「フラット35S」の金利引き下げ措置が盛り込まれたことに対して、「民業圧迫につながる懸念がある」とする要望書を発表した。

 フラット35Sは、(独)住宅金融支援機構が証券化手法を活用して民間金融機関による長期固定金利住宅ローンの供給を支援する制度だ。
 24年9月に国交省が公表した次年度予算の概算要求ではフラット35Sのうち、年齢の若い低所得者が耐震性・省エネ性に優れた住宅を買うための支援であれば、一定の融資額まで金利引下げ幅を拡大することが盛り込まれた。
 この措置は、(1)新たな投資の促進、(2)住宅市場の活性化、(3)デフレ脱却、などを目的としているが、実際には住宅ローンの新規貸し出し金額における住宅金融支援機構の割合は全体の14%に過ぎず、67%が国内銀行、18%が信用金庫・労働金庫・信用組合など民間金融機関であり、民間金融機関の住宅ローンにも同様の措置を取る方が、より政策としての実効性が高いと指摘している。また、これまでフラット35Sの金利は段階的に縮小されてきた経緯があり、今回の措置が実施されれば、フラット35Sと民間金融機関の住宅ローンとの金利格差はさらに拡大し、民業の圧迫につながる、としている。
 そのため、要望書ではフラット35Sだけでなく、民間金融機関が単独で提供する住宅ローンでも、住宅借入金等特別控除制度の拡充などの措置を講じるべきだと提言している。
 要望を出した民間金融8団体は、全国銀行協会、全国地方銀行協会、信託協会、第二地方銀行協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会、全国労働金庫協会、JAバンク・JFマリンバンク。

(2012.12.13)