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新世紀JA研究会が要請活動 TPP反対運動の強化など訴え

 JAの組合長や幹部職員同士の相互研鑽と情報交換などを行っている新世紀JA研究会(代表:鈴木昭雄JA東西しらかわ(福島)代表理事組合長)は12月13日、東京都内でJAグループ全国連と農水省に対する要請活動を行った。

農林中央金庫の河野良雄理事長(右)へ要請書を渡す鈴木代表 この要請活動は、10月末にJAあしきた(熊本)で開催した第13回セミナーで決議された大会アピールをJAグループ全国連や行政に訴え、JA運動の現場目線での改革や課題提起をしていこうというもの。
 大会アピールは、農業者やJAが加工・流通に参入しやすくするために6次産業化や農商工連携の環境整備、持続可能な農業経営を確立するための政策立案、TPP交渉参加の断固阻止、消費税増税反対、26回大会決議の確実な実践、脱原発、職員組合員の海外研修、など全7項目。
 鈴木代表、藤尾東泉(JAいわて中央(岩手)代表理事組合長)氏と足立武敏(JAにじ(福岡)前代表理事組合長)氏の両副代表のほか、古谷茂男氏(JAはだの(神奈川)代表理事組合長)、萬代宣雄氏(JA島根中央会会長)、宮本幸男氏(JA土浦(茨城)会長理事)ら全11人の代表団がJA全中、JA全農、JA共済連、農林中央金庫、農水省を訪れ、これら7項目の実現を訴えた。

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農林中央金庫の河野良雄理事長(右)へ要請書を渡す鈴木代表


◆「次代へつなぐ協同」のための支援を

消費税増税反対や教育機関への支援などを奥原正明経営局長(左)に伝える研究会代表団ら このうち、TPPについては「万が一、TPPに参加することになれば金融、共済の被害も計り知れない」として、JAグループの各連一体になった反対運動をもっと強化すべきだと要請した。
 その具体策として、▽米国はじめ諸外国の報道機関にも意見広告を出す、▽米韓FTAによる韓国内の被害や混乱などを大手マスコミに報道するよう働きかける、などの案が研究会から出された。
 JA職員の教育・研修については、「継続的な取り組み」ができるような仕組みづくりが必要だと強調された。
 また、毎年多くの農業後継者やJA職員などを輩出している農業専門学校が、政府の事業仕分けなどによって経営的に大きな打撃を受けている。こうした教育機関は、「『次代へつなぐ協同』を最前線で実践している学校であり、将来の日本農業、JAグループの発展のためにも、新たな教育機関や施設をつくるだけでなく、こうした既存の学校などへの支援を強化することも必要ではないか」と訴えた。
 そのほか、24年産米の価格が高値で推移していることに対して一部報道がJAグループを批判していることに対し、「これらの誤った報道への対策をしっかり講じてほしい」などと要請した。

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消費税増税反対や教育機関への支援などを奥原正明経営局長(左)に伝える研究会代表団ら


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