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放射性セシウムは汚濁物のせい 森林総研が渓流水を調査

 福島県内の渓流水から検出される放射性セシウムは、水の中の懸濁(浮遊)物質に由来するものと考えられると森林総合研究所が12月21日発表した。

 原発事故で降下した放射性物質について、独立行政法人森林総合研究所は、福島県林業研究センターと協力して渓流水を観測。
 放射性セシウムは降雨後に発生する濁りが主な由来であるとの示唆が得られたため、8〜10月は伊達市と飯舘村の県内2カ所で採取を強化し、濃度の調査を続けた。
 対象は放射性セシウム134と137。水は毎日、14時の定時と、雨の降り始めの二通りで採取した。
 定時に採取した試料の大部分では同セシウムは不検出だったが、一部の試料(175試料のうち6試料)からは検出された。これは3月から7月までの観測結果と同じ濃度だった。 降雨開始からおよそ1から3時間後に、渓流水が増加するとともに懸濁物の量と同セシウム濃度が上昇した。
 これらの結果から、セシウム検出は、降雨により渓流水の流量が増加する際に見られる一時的な懸濁物質の増加が主な理由と考えられるとした。

(2012.12.25)