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信用・共済分離論を排す

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「JA綱領」を読み解く その4

・重要な総合JAの特質と運営方法
・「JA綱領」の新たな活用方法とは

 組織は「理念」「特質」「運営方法」という三つの要素によって運営されますが、この概念に基づいて「JA綱領」を説明すれば、「綱領」は、前文で協同組合の「理念」「特質」「運営方法」を概括的に述べ、それに続く5つの項目の中でJA理念やそれを実現して行くための協同組合としての「運営方法(協同組合原則)」を混然として表現しているのです。

◆重要な総合JAの特質と運営方法

 組織は「理念」「特質」「運営方法」という三つの要素によって運営されますが、この概念に基づいて「JA綱領」を説明すれば、「綱領」は、前文で協同組合の「理念」「特質」「運営方法」を概括的に述べ、それに続く5つの項目の中でJA理念やそれを実現して行くための協同組合としての「運営方法(協同組合原則)」を混然として表現しているのです。
 その半面で、「総合JA」としての組織の「特質」や「組合員への一体的対応」といったJA組織独自の「運営方法」を「綱領」から読み取ることはできません(下表)。
 「綱領」が各種会議などの冒頭での唱和に止まっており、その意味で単なるお題目の域を出ていない理由は、実は「綱領」がJA組織の「特質」やJA組織独自の「運営方法」に触れていないことにあるのではないかと言うのが筆者の考えです。

「JA綱領」の5項目に盛られたJA理念と運営方法


◆「JA綱領」の新たな活用方法とは

 「綱領」とは全国共通のJAの経営理念ですが、経営理念というものは、会社など他の組織の例を見ても抽象的で所詮お題目に過ぎません。「綱領」を単なるお題目に終わらせず、今後の戦略展開を考える契機にして行くためには、「綱領」には出てこない、JAの理念を実現する組織の「特質」や「運営方法」までをセットで考えて行くことが必要になります。
 組織は、理念・特質・運営方法の三つの要素で運営されます。今回、筆者は自著の『これからの総合JAを考える』において協同組合・JAについて、はじめて理念・特質・運営方法の三つの要素から説明しました。
 それによれば、協同組合・JAの組織理念とは、「協同組合・JAが持つ組織の特質や運営方法を生かして組織目的を達成する考え方」ということになります。このため、JA理念を実現して行くためには、JA組織の「特質」や組織独自の「運営方法」を究明して行くことが重要になります。
 綱領といったものは、所詮お題目に過ぎないのだから「JA綱領」についても余計な詮索は無用だ、なぜ面倒な理屈つけるのかと言われそうですが、折角のJA共通の経営理念であるのが「JA綱領」なのですから、これを単なるお題目に終わらせず、理念だけではなく、理念を実現していくJA組織の「特質」や組織独自の「運営方法」までをも視野に入れ、JAの今後の戦略展開の方向を考えて行くことが重要でしょう。

【著者】福間莞爾
           総合JA研究会主宰

(2011.12.05)