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食肉の消費行動、低価格志向 JA総研調査

 景気後退で所得が減少するなか、本来は食べたいが節約志向から牛肉などの消費を減らしていることがJA総合研究所の調査で分かった。ただ、低価格志向と同時にヘルシーな国産牛肉を求める消費者も増えていることから、JA総研ではこうした消費者ニーズに応えていくことも生産サイドに求められているのではないかと指摘している。

◆輸入肉を許容?

 調査は09年11月にインターネットで全国の主婦、単身者男女1400人を対象に行った。
 前回の調査(肉の消費行動に関する調査)は08年9月でリーマンショックの直前に行われており、今回の調査結果とくらべ景気後退の影響が出ていることが分かった。
 とくに牛肉では、1年前にくらべて食べる量が「増えた」のは4.6%だったが、「減った」が33.0%と大幅な減少が認められた。なかでも国産牛肉での「減った」は29.9%で、輸入牛肉での「減った」24.5%よりも多いことが分かった。
 輸入牛肉については「1年前も現在も家庭では食べていない」が今回は21.8%で前回は24.8%だった。こうしたことから低価格志向のなかで輸入牛肉を許容する傾向も見られた。
 輸入食肉についてのイメージも「安全面が心配、信用できない」との回答が前回調査にくらべて、米国産牛肉で8.9ポイント、同豚肉で5.0ポイント減少した。また、中国産鶏肉調製品(焼き鳥など)では6.5ポイント減となっている。


◆強まるヘルシー志向

 ただ、今後の食材消費の意向を聞くと、「減らしたい」の割合は国産牛肉10.7%に対して、輸入牛肉では18.0%と高くなっており、必ずしも低価格の輸入肉へのニーズが高まっているわけではなく、肉類全体を控えようという意向がみられる。輸入肉を減らしたいという理由には「食料自給率を高める必要があると思うから」との回答も10%程度あった。
 一方、「増やしたい」意向が高い食材は鮮魚27.8%、野菜40.8%となっており、健康志向がうかがえる。
 同時に牛肉を購入するきっかけについては「買い物総予算に余裕がある」、「家族がそろう」、「来客」などいわゆる「ハレの日」の食材として需要はある。
 同研究所はこうした調査結果から、低価格志向はあるものの、「特別な日」の牛肉といったイメージや、健康志向にも応えるヘルシーな品質などの提供で牛肉需要を盛り返すことも不可能ではない、と指摘している。

外国産肉購入の場面

(2010.04.15)