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乳性飲料は二極化進む 富士経済の清涼飲料市場調査

 2009年の清涼飲料市場は前年比1・6%減の4兆8820億円になったとの調査結果を富士経済が6月4日発表した。

 09年は個人消費の低迷や春先から夏場にかけての天候不順などで同市場は2年連続で減少した。10年も前年比1・5%減を見込む。
 個人消費回復には時間がかかるとされ、08年から好調だった炭酸飲料も10年には伸びの鈍化が見込まれる。各社とも経営資源の効率的運用を進め、春の新商品は09年に続き、主力ブランドや特定カテゴリーに絞り込む傾向が鮮明化している。
 さらにカテゴリー別にみると09年は果実・野菜飲料が4・4%減の4930億円となった。100%果汁飲料の需要が安価なPB商品に移行し、減少した。その他果汁飲料はサントリー以外の上位企業が苦戦した。
 野菜系飲料もトップシェアのカゴメは回復に向かったが、その他の上位企業の多くが苦戦して前年割れ。
 乳性飲料は1・3%減の1兆1223億円。低価格ニーズに対応した成分調整牛乳が一気に拡大した一方で、トップブランドの「明治おいしい牛乳」も堅調で、価格志向とブランド志向の2極化が進んだ。
 注目市場は“糖分ゼロ”のゼロ系炭酸飲料だ、ここ数年で急拡大した。09年は前年比43・6%の伸びで1340億円となった。
 ゼロ系飲料は消費者の買い控えで減少傾向にある清涼飲料市場の数少ない成長要素であることから各社の注力度が高く、続々と商品が投入され、10年の市場は前年比約37%増が見込まれる。

(2010.06.09)