世界の農政と日本―グローバリゼーションの動揺と穀物の国際価格高騰を受けて― 日本農業年報60
- 著者
- 谷口信和 編集代表、平澤明彦・菅沼圭輔 編集担当
- 発行所
- 農林統計協会
- 発行日
- 2014年2月14日
- 定価
- 3500円+税
- 電話
- 03-3492-2987
- 評者
- 千年篤 / 東京農工大学大学院農学研究院教授
本書は、昨今のグローバル化の進展や国際穀物価格の高止まりを背景に諸外国ではどのような農政が展開されているのかを論考したものである。現時点での日本の農政を世界の中で位置づけることが本書の狙いである。
新興国にも注目し
世界の「農政」問う
本書は3部・16章(+総論)から構成される。中核をなすのが第2部の世界各国の農政動向に関する論説である。対象国/地域は、アメリカ、カナダ、EU、フランス、イギリス、メキシコ、ブラジル、ロシア、中国、韓国、インドの計11カ所である。地理的広がり、経済発展の程度、農業条件の違い等に配慮し、国際食料市場または日本との関係において重要な国が選択されている。新興数カ国を取り上げているのが本書の特色である。すでに情報蓄積が豊富にある欧米諸国については、ビビッドな情報を紹介しながら直近の政策について具体的な特徴が論じられている。他方、馴染みの薄い新興国については、長期的視点から、経済発展過程での農業構造および農政の変容が整理され、その上で現在の農政の特徴が解説されている。
分析視角や構成が各章で一様でないこともあり、世界の農政動向を体系的に理解したいという読者にとっては読後、やや物足りなさが残るかもしれないが、本書で示された豊富な情報は、新興国を含む世界の農政動向を大づかみに把握する上で極めて有用であり、同時に日本の農政の相対化において貴重な示唆を与えるものであることは間違いない。読みごたえある1冊である。
重要な記事
最新の記事
-
不測事態の食料確保、スマート農業法など3法案 衆院で審議スタート2024年4月25日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年4月25日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年4月25日
-
【注意報】ウメ、モモ、などに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 和歌山県2024年4月25日
-
【特殊報】キュウリに「キュウリ黄化病」府内で初めて確認 京都府2024年4月25日
-
電動3輪スクーター「EVデリバリー」JA豊橋に導入 ブレイズ2024年4月25日
-
ほ場作業の約9割を自動化するオートコンバイン「YH6135,A7135,A」発売 ヤンマー2024年4月25日
-
むらぐるみの共同労働【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第288回2024年4月25日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「農村は国の本」~焚書として消された丸本彰造著『食糧戰爭』が復刻された2024年4月25日
-
【JA人事】JA水戸(茨城県)新組合長に園部優氏(4月21日)2024年4月25日
-
【人事異動】フジタ(4月1日付)2024年4月25日
-
米麦水分計PB-Rを新発売 ケツト化学2024年4月25日
-
全国の小学校・児童館に横断旗を寄贈「7才の交通安全プロジェクト」こくみん共済 coop2024年4月25日
-
自然とふれあう農業体験 伊勢崎市で27日に開催 パルシステム群馬2024年4月25日
-
野菜の鮮度保持袋で物流2024年問題解決へ「JAGRI KYUSHU」に出展 ベルグリーンワイズ2024年4月25日
-
粉末化でフードロス解決に挑戦 オンラインセミナー開催 アグリフューチャージャパン2024年4月25日
-
長期保存食「からだを想う野菜スープ」シリーズ新発売 アルファー食品2024年4月25日
-
生産者と寄附者が直接つながる「ポケマルふるさと納税」が特許取得 雨風太陽2024年4月25日
-
焼けた香りや音に満足感「パンの食習慣」アンケート実施 パルシステム2024年4月25日
-
埼玉県産いちごの魅力を伝える「いちごソング」が完成2024年4月25日