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コラム:正義派の農政論

【森島 賢】

2014.01.20 
米価下落の対策を急げ一覧へ

 米の在庫が大量に積み上がっている。その圧力で、米価がずるずると下がっている。
 今年から、減反補助金が半額に減らされる。そうなれば、減反に協力する人が減り、生産量が増える。このままでは、ますます在庫量が増えて、米価が下がるだろう。
 政府は、飼料米を奨励して在庫の過剰をさけるというが、果たしてうまくいくだろうか。
 もしも、予期した通りにいかなかったら、米価はさらに下がるだろう。米価暴落という最悪の事態になりかねない。
 いまから、その対策を準備しておかねばならない。

最近6年間の米の在庫量と米価 上の図は、最近5年間の米の在庫量と米価を示したものである。昨年の9月から、つまり、13年産から在庫量が多くなっている。11月は、この5年間で最も多くなった。それにつれて、米価が下がっている。
 これは、今後の米価を占ううえで、重大な事態である。

 今年から4年間は、減反補助金が半額に減らされる。5年後からはゼロになる。
 その影響は、実際にはまだ出ていないが、上の図は、それを見越して先取りした動きではないか。
 政府は、飼料米を奨励して、過剰米を飼料にし、需給を安定させる、という。だが、市場は疑っている。在庫が過剰になり、米価が下がる、と予想しているのではないか。米価が先行き下がると予想すれば、買い控える。その結果、実際に在庫量が増えるし、実際に米価が下がる。
 米価下落に対する対策を、いまから用意しておかねばならぬ。

 対策は、短期の対策と中長期の対策とがある。
 短期の対策は、過剰になっている在庫米を飼料にして処理することである。在庫米を主食の市場から隔離することである。そうすれば、米価の暴落は回避でき、短期的に回復できるだろう。
 今後の在庫量と米価の推移を注視しながら、今から急いで、この対策の準備をしておかねばならない。

 中長期の対策は、減反の復活である。
 それには、政府が責任をもって減反を奨励することである。それは、減反奨励金の全額復活である。そうして、米価の下落を食い止める岩盤政策を復活することである。
 それに加えて重要なことは、飼料米政策の確固とした構築である。飼料化を市場に任せることはできない。政府の責任で飼料化を図らねばならない。
 それには、飼料化のための政府予算を、さらに拡充する必要がある。
 助成単価の増額だけではない。飼料米を増産するための、稲作農家に対する各種の投資への援助と、需要家である畜産農家に対する各種の投資への援助が不可欠である。

 これらの投資は、中長期的な投資になる。猫の目農政のもとでは、投資できない。野党との協議をかさねた中長期的な米政策の確立を求めたい。
 自民党農政か、民主党農政か、という党利党略のための不毛な争そいは求めない。現場の政治不信をつのらせるだけだ。
 求めているのは、自民党農政プラス民主党農政の農政である。それは、みんなで協同して食糧自給率を高めるための農政である。


(前回 食文化異論

(前々回 米価下落の兆し(増補改訂版)

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