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【リレー談話室・JAの現場から】協同組合 誰のため2015年9月24日

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【松本 聡雄 / 大分・下郷農協参事】

 戦後、昭和22年に農地改革が行われ、長年続いた地主と小作農の関係が解消されました。協同組合法がつくられ、翌年には農民たちが「自分たち自身で運営する農業のための協同組合」として全国で一斉に農業協同組合が設立されました。
 農協法では組合員が出資すれば自由に協同組合をつくり、誰にも支配されず、自分たちの社会的、経済的な地位を高めるために努力するという趣旨がうたわれています。農民の努力で戦後の食糧難を解消し、気候や地質、労働力など地域の実情に合わせた農業が営まれてきました。

 しかし経済発展とともに大事な食糧と農民の蓄積した知識を政治の道具として使い、農畜産物の輸入自由化をすすめ、国内の農業を蝕んできました。農業では飯が食べられない、農業は苦労するからと、多くの農家の後継者が、職業として農業を選ばなくなり、また選択できない環境にしてしまいました。
 このことは、先祖代々農民が蓄積してきた生産技術や経験を継承できなくさせています。金融自由化対応などで広域農協合併が推し進められ、農民が設立した協同組合が、中山間部の農民から次々と遠ざけられ、農民の生産意欲と生産環境が悪化して農業生産も下降しています。
 今の動きは大規模農家を少数育成し、小規模農家は切り捨てられています。近年では農商工連携や6次産業化などで農業生産の向上や地域の雇用を目指しているようにもみえます。しかし実態は生産意欲をなくし、痛めつけられた小農家から土地と労働力を奪い取るように思えてなりません。
 グローバル化の名のもと、資本や市場の原理で、これまで農民が耕して守ってきた、美しい水と空気から作りだされる農地や環境、さらに各地域で継承されてきた催事、伝統行事も奪い取ろうとしています。
 「強い農業と農業生産額の向上」の言葉をよく耳にします。しかし強い農業とは昔のように、地主が小作農から農地を取り上げ、小作農は地主に雇われ百姓をする構図によく似ていると感じます。
 農民は使い捨てで地主(資本)が利益を吸い上げる。これが強い農業なのでしょうか。しかし現在の資本は、利益が出なければ農民から集めた土地を農地以外に転用して利益を確保するでしょう。食糧と環境を守ってきた農地は無くなり、荒れることになりかねません。農民がいなくなり、農業はもちろん、地域社会や自然環境も継承できなくなることも危惧されます。
 農業生産額は仮に向上しても、農協法の趣旨である「組合員(農民)の社会的、経済的地位の向上」へはつながりません。生産者(農民)の生産額向上でなければならないのに、農業生産額向上は企業参入による大規模化が前提にあると思われます。
◇   ◇
 私どもの農協は組合員数400戸で、耕地面積120haたらずの小さな小さな農協ですが、設立から65年合併せずに組合員に必要とされる農協として事業(運動)を行ってきました。
 将来も厳しい状況が予想されますが、組合員が何を要望し、組合員のために、いま何が必要かを経営の中心に据え組合員が生産した農畜産物を直接、または加工して、消費者へ直接届ける産直運動を継続し、われわれが農業生産をすることで安心・安全な食糧を確保し、自然環境や地域社会を守り続けていかなければなりません。
 農民が自給できなくなれば消費者は輸入物しか食べられなくなります。農業の大切さを理解していただき、消費者と提携して頑張ろうと考えています。

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