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TPP特別委のだらけた議論2016年11月28日

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【森島 賢】

 TPPは、すでに空中分解した。それなのに、参議院のTPP特別委員会は、まだ、緊張感のない議論を、だらだらと続けている。発効するあてのない協定の議論だから、だらけるのである。
 民主主義の殿堂である国会で、こんな議論をしていてはならない。それは、政治に対する不信にとどまらない。民主主義への不信になることを憂える。
 野党は、こんな議論をやめて、TPPからの離脱と、委員会の解散を提案したらどうか。
 与党は、反対するだろう。TPPは、アベノミクスの看板政策だったし、あれほど前のめりだった安倍晋三首相の体面が崩れるからである。
 だから、野党のこの提案は、与党の多数の反対によって否決されるだろう。そうしたら、それ以後、野党は、この委員会には欠席すればいい。欠席して、同じ時間に、国会の内外で自由貿易についての実のある議論をすればいい。それは、つぎの選挙のときの協力体制の礎石になるし、つぎの選挙で野党が政権を取ったときの基本政策になるだろう。

 TPPが空中分解したからといって、政府は、いわゆる自由貿易を諦めたわけではない。EUとのEPAを年内に大筋合意したい、と考えているし、米国とのFTAも考えているようだ。また、安倍首相は、中国が主導するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に加盟して、RCEPをTPP化する、などとトンチンカンなことを口走っている。
 以前、首相は、TPPは日米安保を強化するものだ、といったことがある。こんどは、中国が主導するRCEPに加盟して、中国と安保条約を結び、尖閣諸島を中国軍の基地に提供しようというのだろうか。
 このように混乱したなかで、国会は、首相の体面を保つためだけの茶番劇を、まばらな観客のなかで、延々と続けている。そうして、結局、体面つぶしの上塗りをしている。いいかげんで止めたらどうか。

 いま、自由貿易について国会で議論すべきことは、こんなだらけた議論ではない。当面しているのは、EUとのFTAである。
 EUの関心は、農産物では乳製品や豚肉などの関税の引き下げにある。これに対して、日本はどれほど譲歩できるか、などという議論ではない。
 議論すべきことは、WTOという、れっきとした国際機関を否定して、世界経済のブロック化を押し広げ、ブロック間の敵対関係を強めることではない。FTAやEPAは自由貿易を世界に広めるとか、日本の国益になるとかいう、ふやけた議論ではない。
 自由貿易といえば、聞こえがいい。しかし、それは経済的強者である大企業が、農業者など国民の大多数の経済的弱者を搾取する自由ではないか。国益とは、弱者を犠牲にした強者の利益ではないのか。
 このことを、EUとのFTAについて、国会で明らかにすることが、早急に求められている。
 そうして、EUから輸入する乳製品や豚肉などの関税を引き下げることが、日本農業の衰退に拍車をかけること、食糧自給率を、さらに引き下げることを明らかにすることである。そして、そのことが、強者だけの利益になることを、白日の下に曝け出さねばならない。
(2016.11.28)

(前回 反TPPのつぎは反規制改革推進会議だ

(前々回 TPPは空中分解

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