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いつまで続く一強政治2017年5月22日

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【森島 賢】

 安倍晋三総理・総裁による一強政治が、国民の怨嗟の声のなかで、いつ終わるともなく延々と続いている。
 安保法制や共謀罪法案の国会審議で、安倍総理が率いる政府は、矛盾だらけの説明を押し通している。
 農政でも、同様である。いまの農政は、国会を無視して、安倍総理が勝手に任命した規制改革推進会議の面々が、実質的に決めている。国会での審議は、お座なりというしかない。
 森友学園や加計学園の疑惑問題でも、政府は国会での疑問に答えようとしない。そうして、平然としている。
 このような国会無視の、反民主主義的な政治は、一強政治の結果である。そして一強政治は小選挙区制という選挙制度の結果である。
 いま、日本の民主主義は重大な危機に曝されている。そこから回復するには、小選挙区制を廃止するしかない。

 一強政治は、それ程までに多くの国民から支持されているのか。そうではない。下の図は、前回の2014年の衆議院総選挙の結果である。

いつまで続く一強政治

 上の図から分かることについて、多くの人が指摘していることだが、あらためて数字で確かめてみよう。
 それは、自民党は国民の僅か21%の人たちから支持されているに過ぎないが、しかし、全議席の圧倒的多数の61%を占めていることである。その主な理由は、小選挙区制にある。これが一強政治の原因である。これは、民主主義ではない。議会制民主主義は、小選挙区制という原因によって、深刻な危機に見舞われている。

 一強政治のもとでの国会は、与党は野党の反対論を聞こうともしない。そして時間だけが過ぎるのを待ち、最後は強行採決してしまう。これでは、議会制民主主義に対する国民の不信が、つのるばかりだ。
 また、小選挙区制のもとでは、政治を志す人が国会議員になるには、大政党の執行部からの公認が必要不可欠になる。公認がなければ、当選することは、ほとんど出来ない。刺客を送られることさえある。だから党の執行部には逆らえない。まして、その頂点にある総裁に反旗をひるがえすことは、政治生命を自分から絶つことになる。
 だから、党内での議論が不活発になる。自分の政治に対する意見を自由に言えなくなる。その結果、党内だけでなく、政党間でも、議論らしい議論はなくなってしまう。これでは民主主義は成り立たない。そうして、一強政治がはびこる。
 一強政治は、独裁政治の別名なのである。

 このような反民主主義の政治を打ち破るには、小選挙区制を廃止するしかない。そうすれば、党内の自由闊達な議論が復活するし、党内民主主義が回復する。さらに政党間で、互いに切磋琢磨することもできる。そうして、一強政治を淘汰できる。日本の民主主義が復活するのである。

 しかし、一強政治の政権を倒して政権を交代しさえすればいい、というわけではない。
 いまの一強政治は、経済的強者のための一強政治である。経済的強者のために反対論を無視して、経済的弱者を苦境に陥れている。その一部が、農業と農業に対する理不尽な攻撃である。こうした政治を、いつまでも続けさせるわけにはいかない。
 一刻も早く強者のための一強政治を終わらせ、弱者への攻撃を止めさせねばならない。そうして、農業者など弱者のための政権をうち立てねばならない。

 第1の方法は、国会外での活動を強めることである。一強の政党に対して、次の選挙で支持しないことを悟らせることである。
 第2の方法は、つぎの選挙で、第2党以下の政党が選挙協力をすることである。ここには、政策協定が必要になる。だが、この協議がなかなか進んでいない。早急に始めるべきではないか。
 第3の方法は、国会外での活動と、次の総選挙での選挙協力を基礎にした小選挙区制の見直しである。小選挙区制をやめれば、党内での闊達な議論が復活するし、党内民主主義が回復できる。さらに政党間で、互いに切磋琢磨することもできる。そうして、一強政治を淘汰できる。

 ここで注意すべきことがある。それは、小選挙区制の弊害を主張する人は多いが、しかし具体的な協議を呼びかける人は、ほとんどいないことである。その勇気がないのかもしれない。あるいは、小選挙区制のほうが政権の交代がし易い、という呪縛にとらわれているのかもしれない。
 注意すべきことが、もう1つある。それは、政権が交代しても、小選挙区制のもとでは、別の形一強政治が続くだけではないか。政権交代といっても、それは経済的強者の政治から経済的弱者の政治へ交代することでなければならぬ。そのことを見逃した小選挙区制の反対論になってはいないか。
 「権力は腐敗する」ことは、古今東西でいわれ続けている。いつの世でも、権力者は王様や独裁者にように、権力を集中し、あらゆる汚い手段を使って、弱者を支配したいという衝動に駆られるようだ。そうした野望は、弱者によって捨てさせねばならぬ。

 実態を見れば、小選挙区制に基づく強者のための一強政治が延々と続き、反対論を無視し、弱者を苦境に陥れている。その一部が、農業・農協に対する理不尽な攻撃である。
 一刻も早く強者のための一強政治を終わらせ、弱者への攻撃を止めさせねばならない。そうして、農業者など弱者のための政権をうち立てねばならない。
(2017.05.22)

(前回 分断の基軸

(前々回 自由貿易への怨嗟が世界中で噴出

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