安倍内閣の隠蔽体質を暴け2017年7月18日
東京都議選で、政府与党の自民党が歴史的大敗北を喫したが、その直後、朝日新聞が、衝撃的な世論調査の結果を発表した。安倍首相は信用できないとする回答が61%に上った、という調査結果である。
都議選の大敗北の原因は、安倍首相の信用の失墜にあったのだ。
農村社会だけではなく、どこの社会でも、人柄が信用できないとなれば、その人が言うこと為すことは、全て信用できなくなる。致命的な評価である。
いったん人柄が疑われれば、信用を再び回復するには、信用を築き上げた努力と時間に比べて、数倍の努力と時間が必要になる。もしかすると、回復できないかもしれない。そうなれば、その人は、その社会から放逐される。
いま、安倍晋三首相は、政治の社会から放逐されるか否か、という深刻な瀬戸際にある。これは、同時に自民党の瀬戸際でもある。
この世論調査では、別の項目で、加計問題での安倍政権の姿勢を聞いているが、評価しないとする回答は74%だった。
これから分かるように、安倍首相が不信を招いたものは、加計問題などでの公私混同疑惑であり、それを隠蔽する体質である。この隠蔽体質は安倍一強の数をたのんだ傲慢に基づいている。そして、多くの国民は、この傲慢を強く嫌悪し、拒否している。
公私混同を否定し、その隠蔽を非難することの大義に、与党も野党もない。保守も革新もない。政府が隠蔽しつづけるなら、与野党を巻き込んで、今後の政界を大きく揺さぶるだろう。
◇
多くの国民は、安倍首相の、加計問題などの公私混同疑惑についての言動にウソを感じ取っている。
安倍首相とその周辺は、記録がないとか、消してしまったとか、会合での発言に記憶がない、とか言っている。しかし、それはウソではないか。
記録がないというが、もともとメモのような記録さえもないのか? それは信じられない。それとも記録はあったが、消したからなくなったのか? そうだとすれば、復元できないか? その主題は何だったのか? いつ、誰の指示で誰が消したのか?
会合での発言の記憶がないというが、その会合は何を主題にした会合だったか? そこでは、誰が、どんな発言をしたか?
多くの国民は、これらの疑問に対して誠実に答えることを要求している。しかし、これらの全てに答えていない。一点の曇りもない、などと言っている。これに対して、多くの国民は、隠蔽とみて、ウソを感じている。
◇
ウソは一度つくと、つぎつぎにウソを重ねることになる。そうしないとツジツマが合わなくなるからである。そうして、泥沼にはまり込む。
首相だけが隠蔽のためのウソを言わなければいいという訳ではない。その周辺もウソを言えば、次々とウソを重ねることになる。そうして、ウソで固めた巨大な山が築かれる。
そんなことが、完璧な形で、いつまでも続くはずがない。やがて、ほころびが出て、ウソが露見する。
こうなれば、誇り高い首相は辞任せざるを得なくなる。森友問題のとき、首相はこのことを明言した。首相を辞めるだけでなく、国会議員も辞めるとまで言った。
◇
危機感にさいなまれた首相は、苦しまぎれに一転して、野党の要求に応え、国会の閉会中審査に出席することにした。野党は首相を厳しく追及するだろう。そして、野党の存在感を強めるだろう。
沈滞しつつある野党、ことに第1野党の民進党にとって、命運がかかる絶好の機会である。総力を注入して、疑惑を解明すべきだろう。
それは、首相の疑惑を糺して窮地に追い込むことだけが目的ではない。日欧EPAに合意して、農業・農協を破壊し、格差を拡大し、監視社会のもとで平和主義を捨て、軍事大国を目指す首相に、その座から下りてもらうことが目的である。
それが加計問題を追及する戦略目的である。
(2017.07.18)
(前回 日欧EPAは格差を拡大する)
(前々回 加計問題の核心は安倍首相の公私混同)
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