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(057)フレッシュマンとしての65歳2017年11月17日

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【三石誠司 宮城大学教授 - グローバルとローカル:世界は今】

 厚生労働省「平成27年簡易生命表」によると、1947(昭和22)年当時、男性50.06歳、女性53.96歳であった日本人の平均寿命は、2015(平成27)年には男性80.79歳、女性87.05歳にまで伸びている(注1)。まさに人生80年時代であり、こうした傾向は先進国の多くで見られる。
 さて、人生を四季になぞらえ、春夏秋冬ごとに踏まえるべき生き方を説いたのは吉田松陰であったか、元々は中国の故事によるものかは定かではないが、時に学生に対して筆者は以下のようなことを言う年齢になった。

 「80年を4つのステージに分ければ、最初の20年は親や学校から学ぶ時代、次の20年は社会から学ぶ時代、次の20年はそれまで学んできたことを社会に還元する時代、そこまでやれば、おまけの20年が付いてくる...。この区切りは厳密なものにせずプラスマイナス5年位の幅を持たせた方が良い。自分は最後の20年があれば何をやるかを検討中...。」
 
 小中学生の頃には60~70代は人生の大先輩として遥か彼方で孫にかこまれゆったりしている人達だと考えていたが、不惑を超え40代半ばに転職で惑った筆者が見るに、どうも最近の60~70代はまだまだ発展途上らしく、活力に溢れ、アクティブな方々も多い。何より、自分の身近な人々が続々と還暦を迎えているが、その肉体的精神的パワーには驚くばかりである。

 

※  ※  ※

 

 先日、とある会合に招かれ話をしたが、参加者はほぼ全員が停年退職後に新たな組織を作り、そこで現役世代に対し、様々な知見や技術を提供している方々であった。20~30年前のイメージでは完全に隠居しても良い年齢の方々が、最初あるいは2番目の現役を60~65歳で退いた後に、新たな組織を作り再度現役で仕事をする時代になっている。65歳は新人扱い、その上にはさらに20年続く大先輩達が矍鑠(かくしゃく)としている。

 こうした状況を見て、高校時代の部活(水泳部)をふと思い出した。筆者が現役高校生の頃、練習中にふらりとやってきて半ば思いつきのように厳しく練習メニューを追加し(これは物凄く嫌だった)、時には練習後に簡単な食事を奢ってくれた(こちらは物凄く嬉しかった)OB/OGの姿である。現役時代は早くそうした立場になりたいと思っていたが、いざ卒業してみると、自分ははるか昔から綿々と続くOB/OGの末席にようやくたどり着いたに過ぎない。この絶望感(?)は今でも良く覚えている。遅ればせながら、世の中の仕組みの一端を垣間見た瞬間である。

 

 ※  ※  ※

 

 実はそれ以来、筆者は学生時代や前職場に限らず、OB/OG会的な集まりからは遠からず近からず...の距離を保っている。良くも悪くも懐かしさ以上に自分が新人の時の微妙な感覚が蘇るからだ。平均寿命が80歳とはいえ、個々人として見れば、いつ自分の人生が突然終わるかわからない以上、筆者自身としては現時点ですべき事ややりたい事、そちらに時間と労力をつぎ込みたいという気持ちが強い事もある。
 しかし、ほとんどの人が80歳まで...となると、これは中高年以降の生き方そのものが本当に大きく変わる。筆者の仕事の一部は、とりあえず目が見え、活字が読め、頭が働けば文字にすることで自分の考えをまとめることができる。だが、言葉が思う様に出なくなれば、教育面では大きな障害にもなる。いつまで続けられるかは全くわからない。
 65歳から何をやるか。思ったことをすぐに実行できる20~30代と異なり、50代半ばの今、真剣に考えておかないと準備不足で何もできなくなるという漠然とした不安は、薄紙が毎日一枚一枚積み重なるようだ。

 
※  ※  ※

 

 さて、各国の平均寿命を比べてみると、米国は女性81.2歳、男性76.4歳、ロシアは女性76.5歳、男性65.3歳、である。また、日本は男性と女性との差が約6歳だが、アイスランド、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、スイスなどは男女差も少なく、男性女性ともに80歳を超えている(注2)。

 食べ物、ライフスタイル、パートナー、環境、遺伝子、そして、日々のストレス、このあたりの影響に関する研究はどこまで進んでいるか、じっくりと調べてみたい。

注1:厚生労働省「表4 寿命中位数と平均寿命の年次推移」「平成27年度簡易生命表」
(閲覧日:2017年10月20日)

注2:厚生労働省「3 平均寿命の国際比較」「平成27年度簡易生命表」
(閲覧日:2017年10月20日)

 

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

三石誠司・宮城大学教授の【グローバルとローカル:世界は今】

 

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