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2016.07.08 
業務用米1kg264円-中・外食の平均仕入れ価格一覧へ

 公益社団法人米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)は7月5日、中食・外食事業者の米の仕入れ状況についての調査レポートを発表した。ほとんどの事業者が食味など品質を重視し、原料米の選定にあたっては仕入れ先に対して何らかの指定を行っていることが分かった。

◆複数年契約も増える

業務用米の平均仕入れ価格1kg264円-中・外食調査 調査対象は全国展開するコンビニエンスストアなど中食事業者3社とご飯主体のファストフード店、ファミリーレストランなど外食事業者6社、社員食堂などの給食事業者8社の計17社。
 米の仕入れ先でもっとも多かったのは「卸売業者」(回答数16社)で次いで「JA」(同5社)となっている。
 卸売業者が仕入れ先の第一である理由について米穀機構は▽調達力の高い卸売業者を仲介することで調達業務の効率化が図れること、▽必要量の安定的な確保が図られること、▽仕入価格に応じた原料調達が可能であることなど多くの経営メリットを見出しているためと分析している。
 仕入れ契約の方法は単年契約が多いが、「契約は単年度だが複数年にわたって継続して取引している」、「仕入れ量の一部は複数年契約」という事業者もあり、安定調達や経営安定化のために機動的な契約対応や複数年契約に取り組む意向が見られる。
 米の使用銘柄については、ほとんどの事業者が原料米選定で何らかの指定を行っている。弁当やおにぎりでは冷めてもおいしい銘柄であることなど製品への適合性があることや、コシヒカリやあきたこまち、ひとめぼれなど安定した食味とともに安定した量の供給可能な銘柄が指定されている。


◆業務用新品種に関心

 最近は良食味と多収性を兼ね備えた「萌えみのり」、「あきだわら」などの品種が業務用としてすでに引き合いがある状況になっている。同レポートによると、これらの品種はブレンド適性があり、多収であることから値ごろ感のある価格で取引が可能で業務用としてのコストパフォーマンスに優れていると評価されているという。
 今回の調査でもこれらの業務用新品種について聞いたところ「製品に適合するなら検討」と回答した事業者が6社ともっとも多かったが「すでに使用している」、「検討中」が合わせて3社あった。こうした結果から同レポートでは「業務用品種のブレンド・炊飯適性や生産地の情報を業務用ユーザーにしっかり提供していくことで今後の進展が期待できる状況にある」と指摘している。
 調査では17事業者中13事業者がブレンド米を使用していた。
 ただ、給食事業者は自県産米へのこだわりが強く、業務用新品種についても「関心はない」「関心はあるが検討に至らず」との回答が多かった。
 給食事業者のなかには地域の事業所や施設などへ配達弁当のかたちで、ほぼ決まった人に提供を行っている事業者もある。こうした事業者にあっては食べ慣れた味、あるいはそれ以上に食味がいい米を使わざるを得ないという制約があるという。


◆産地との連携に積極的

 回答があった事業者の平均仕入価格(税込み)は1kg200円台前半から300円台前半にかけて分布しており、全体平均は264円だった。ただ、北信越地域のような良質米地域で事業をしている給食事業者は、地域の米の品質レベルが高いために、それに応じた米を使わざるを得ず、良質米地帯の給食事業者の平均仕入価格は1kg301円となっている。
 最近の仕入価格についてはほとんどの事業者が「値上がりした」と回答しており、その上昇率は最大で20%、平均で7.8%だった。仕入れ価格が値上がりしてもすべての事業者が価格への転嫁は行っていない。対応は食材等のコスト見直しだが、それにも限度があり「コストオーバーとなれば米の使用量を減らす」と回答した事業者も複数あった。
 こうしたことから同レポートでは、平成23年~24年産で見られたような「使用量・提供量を減量するような事態が再来する懸念が未だに存在している」と指摘している。
 同時に、多くの事業者が仕入れ価格の上昇が従来の仕入れ方法の見直し検討につながると回答している。具体的には生産者との直接契約など新たな取引の検討や、複数年契約を拡大するなどの回答があった。
 今回の調査では過半の事業者は生産者・産地との連携に前向きであることが示された。具体的には契約栽培の拡大、直接仕入れの拡大、需要者側から生産者側への情報提供などですでに始まっている取り組みもある。
 生産者・産地への要望では▽需要者ニーズにあった品質確保、▽生産側からのダイレクトな情報提供などがある。さらに単なる原料サプライヤーではなく消費者に選択してもらえる製品づくりのパートナーとして製品づくりへの参加を求める声もあった。
 価格について「双方が納得する再生産可能な価格」など価格形成のあり方について再考を求める意見もあった。
 米穀機構によると米の中・外食消費の割合は27年で31%まで拡大している。米の消費は年平均8万t減少しており、米の需要量は現在、770万t(玄米)程度と見込まれているが、230万tが中・外食向けということになる。ある推計では業務用米は年間320万tとの数字もあり、さらに拡大しているとされる。
 同レポートは、業務用米は唯一シェアを拡大しているが、仕入価格が想定以上の価格となれば、すでに経験したように米の使用量の減少や国産米から輸入米(SBS)への移行の懸念もあるとして、「今後も伸びる可能性のある市場を大切にすることで米の生産量を確保し、需要量の減少を食い止めることが生産側と需要側の双方に求められている」と強調している。

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