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米:JA全農米穀事業

【JA全農米穀事業部】主食用米・水田活用米穀 取扱目標 310万トン ―28年産生産・集荷・販売基本方針2016年3月23日

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需給改善計画生産は不可欠
生産から消費バリューチェーン構築

 JA全農はこのほど28年産米の生産・集荷・販売基本方針を決めた(図1)。27年産米は飼料用米への作付転換等の拡大により、主食用米の過剰作付けが平成16年産から現行の方式となって以来初めて解消され、計画生産の達成によって需給環境は一定の改善がはかられた。しかし、28年産の作付け動向や作柄によっては再び主食用米の需給が緩和することも想定されるため、28年産米も引き続き計画生産に取り組むことが必要になっている。JA全農は、こうした飼料用米の拡大等による計画生産の取り組みを28年産でも継続していくとともに、▽生産・消費の構造変化に対応した担い手・業務用需要への対応強化、▽付加価値を高めた商品販売やリテール事業の拡大、を基本的考え方として取り組む。取扱目標数量は主食用米と水田活用米穀の合計で310万tとしている(図2)。

toku16062309009.jpg◆需給環境 27年産米では一定の改善

 JAグループは主食用米の需給を改善し適正な米価を回復するため、▽26年産米の供給過剰分の長期計画的な販売、▽飼料用米の生産拡大などによる27年産米の主食用米の生産量抑制に取り組んだ。

 その結果、飼料用米の生産量は42万tに拡大し、麦・大豆・WCSなどの作付けも米換算で9万t拡大し、備蓄米買入枠が当初想定の20万tから25万tになったこと(+5万t)を合わせると、飼料用米60万tの当初目標に対して、需給改善効果としては56万t水準を達成した。主食用米の作付け面積は140.6万haで生産目標数量の面積換算値を1.3万ha下回り、初めて過剰作付けが解消された。
 全国の作況は100で主食用米の生産量は744万tと生産数量目標に対して▲7万t、前年より▲44万t下回っている。
 このような需給環境の改善の結果、出来秋の概算金は前年産を上回る水準で設定されるとともに、事前契約(播種前・収穫前・複数年契約)については前年産を16万t上回る107万tとなり、相対価格も需給環境改善を反映し前年産比+500~1000円/60kg上回る水準で設定している。
 販売状況をみると業務用需要は堅調だが、量販店などの家庭向け販売を中心に消費は弱含みで推移しており、消費の減退が懸念される。

【図1 28年産米生産・集荷・販売基本方針の概要】

8年産米生産・集荷・販売基本方針の概要

【図2 取扱い目標数量】

取扱い目標数量
◆計画生産の継続が重要

 27年産米は計画生産を達成したことによって需給環境は一定の改善がはかられた。しかし、▽依然として平成28年10月末以降に18万tの持ち越し在庫が見込まれること、▽国の需給見通しも今年6月末の民間在庫量は207万tの見込みであり適正水準を上回る状況のため、決して安心できる状況ではなく、消費が弱含みで推移していることもふまえると、28年産米の作付け・作柄次第では再び需給緩和局面になることが懸念される(図3)。

【図3 今後の需給見通し】

今後の需給見通し

 そのため計画生産の取り組みを継続していくことが重要であり、28年産米では生産数量目標(743万t)からさらに深掘りを行い、自主的取組参考値735万tの達成を目標に、主食用米の作付面積が27年産米を上回らないよう取り組むことを基本に、引き続き主食用米から飼料用米などの作付転換を進めていく。


◆5つの重点実施策

【生産・集荷戦略】計画生産の徹底と多様な集荷手法の提案

 計画生産には以下の考え方で取り組む。
 ▽27年産主食用作付面積が28年産自主的取組参考値を上回る産地は自主的取組参考値を目指す。 ▽すでに28年産自主的取組参考値を下回る産地は27年産主食用米作付面積を維持する。
 ▽主食用米からの転換は27年産の飼料用米取組数量42万tに加え、自主的取組参考値達成に必要な削減数量9万tと備蓄米買入枠の削減数量2.5万tを合わせた11.5万tを地域実態に合わせつつ飼料用米の作付を基本に推進する。
 担い手対応も強化する。実需者ニーズに基づいて開発した多収性や機能性(寿司用品種など)を持つなど有望品種の試験栽培をJA・生産者に提案するとともに、生産から販売まで一貫した取引関係を構築し契約栽培的取引を拡大、生産者手取り向上につなげる(図4)。

【図4 実儒者向け品種提案等による契約栽培取引の拡大】

実儒者向け品種提案等による契約栽培取引の拡大


 また、生産者の利便性向上につながる「フレコン・庭先集荷」や「共同計算、個別精算、買取など多様な手法による集荷」など地域実態もふまえた取組み手法を担い手に提案し集荷拡大につなげる(図5・6)。

【図5 多様な手法による集荷】

多様な手法による集荷

【図6 フレコン・庭先集荷の推進】

フレコン・庭先集荷の推進


【流通戦略】安定取引へ事前契約を拡大

 流通面では、まず実需者との直接契約・事前契約の拡大をはかる。
 大手実需者・食品メーカーなどと▽全農による直接取引、▽卸を含めた3者契約、▽JAを含めた4者契約を推進する。マーケットインの発想に基づき実需者のニーズをふまえ生産者・JAに提案するとともに事前契約による安定的な取引の拡大につなげる。そのため事前契約は推進開始時期を前倒しして取り組み、28年度は120万tを目標に推進する(図7)。

【図7 実需者との直接契約・事前契約の拡大】

実需者との直接契約・事前契約の拡大

 また、県域共同計算方式による一律的対応が敬遠されJAグループ離れが深刻化している地域もあることから、地域実態に応じて県域共同計算方式を補完・代替する受け皿として、買取販売の拡大に取り組む。
 流通コストの削減にも引き続き取り組む。
 とりわけコスト削減が課題となっている飼料用米については共乾施設からの純ばら出荷や、連合倉庫等を活用した検査・保管体制の整備、定時定量輸送等による運賃削減などにも取り組む。
 全農による飼料用米の「生産者買取スキーム」は継続し、飼料用米の取扱い拡大をはかる。


【リテール戦略】消費者直接販売へネット通販拡大

 消費者への直接販売にはインターネット通販の拡大を図る。米の購入経路としてネット通販は著しく伸びており、特徴ある産地精米やオリジナル商品の開発など、バラエティのある精米商品を提案、事業を拡大する。
 将来は米の販売チャネルの柱の一つに育成していく考えだ。
 小口対応をしてきた米専門店のシェアが減少している実態をふまえ、小口業務用向け販売にも全農パールライスと一体的に取り組んでおり、引き続き新規販売先を開拓していく。


【高付加価値化戦略】精米販売の競争力を強化

 全農パールライスを核とした精米販売の拡大、炊飯事業の取り扱い拡大、米関連の商品開発など、付加価値を高めた販売を強化する。
 全農パールライスは1都1府10県で構成。精米事業(9工場)、酒米事業(1工場)、炊飯事業(1工場)によって多角的に事業を展開しており、これを核に卸の再編、取引先対応の強化や製造コストの削減をすすめる。 炊飯事業はグループの炊飯工場の連携を強化し、品質管理の向上と販売拡大をはかる。また、精米販売チャネルを活用した米加工品等の取り扱いを拡大する。
 新規用途への利用と商品開発にも取り組む。
 健康志向の高まりのなか、米の持つ機能性に着目した商品開発などにも取り組んでいく。


【消費拡大戦略】お米は太るとの誤解の払しょくと米の地位回復へ

 国内の消費拡大には「お米は太るという誤解の払しょく」と「食事における米の地位回復」をキーワードに、様々な年代・属性のターゲットに対して情報と消費が一体となった取り組みを行う。大学との共同研究で米の新しい機能性も発掘し、その知見を消費拡大につなげていく(図8)。

【図8 米消費拡大の考え方】

米消費拡大の考え方

 米の輸出は、産地JA・生産者との連携のもと、現地需要に対応し、原料玄米の生産・集荷から、輸出・とう精、精米販売までの一貫した事業で拡大を図る。
 シンガポール、香港向けはパートナー企業と連携し業務用をターゲットに玄米を輸出、現地で精米・販売する事業を展開し、販売拡大とノウハウを蓄積していく。また、輸出専用産地づくりに向けた多収穫・低コスト生産の試験実証ほ場の設置や、輸出専用フレコンの開発なども行っていく。
 中国、アジア、欧州向けは現地パートナーの発掘・連携で精米輸出の拡大に取り組んでいく。

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