JAの役割知り、決意新た 全国機関新規採用職員研修会2015年4月8日
平成27年度JA全国機関新規採用職員研修会が4月1日、東京都千代田区一ツ橋の日本教育会館で開かれた。533人の新規採用者が出席。JA全中の萬歳章会長が訓話を述べ、JA全青協の黒田栄継会長が「現場を忘れるな」と題してJAグループ全国機関の役割と責任」について講演。さらに作家の童門冬二氏が記念講演し、参加者にメッセージを送った。
萬歳会長は、今日の社会における協同組合の役割を強調。「グローバル社会の進展で、格差社会が広がった。勝てる者と負ける者が出て、これがいろいろな社会的事件を招いている。協同組合の理念と原則を根底に、お互いが信頼関係をもって、資本の論理に対抗して行こう」と呼びかけた。
また「食は国民の命を支えている。それは農業である。JAは、それを支えている組合員のための組織でなければならない。これからの人生をJAに賭け、日本の農業を守って欲しい」と訴えた。
(写真)JA全国機関の新採用職員研修会
黒田会長は、「農業の現場から最も遠くなってしまっている全国機関だからこそ、いかに現場を、農業を思い浮かべながら仕事ができるかが重要」と、JAの仕事の原点である現場とのつながりを持つことの大切さを強調した。
また今日、「食と農」の価値を軽視する政府の政策に触れ、「農業バッシングの中で、あえてJAを選んだ意味をかみしめ、単に仕事上で実績が伸びたことに満足するのではなく、それによってJAは何をするのかを考えて行動して欲しい」と激励した。
童門氏は、改革について述べ、「改革にはモノ、仕組み(組織)、心(意識)の3つがあるが、最も必要なものは意識であり、心の壁を壊すことで、他の二つは壊れる」と指摘。例に、自由を求める国民の力で崩壊したベルリンの壁を挙げる。
そのためには意見形成能力をつける必要があるとして、「自分で情報を集め、自分で判断すること」。その指針としてJA綱領を活用するよう提案。
このほか、幕末の佐久間象山や江戸中期の米沢藩主・上杉鷹山などの例を挙げ、広い視野を持ったグローバリズムの考え方、将来大きな火になる“種火”探しの必要性などについて話した。
また「JAの自己改革を進め、地域との関連性を深め、組合員から『JAならでは』と言われるようなJAにするよう頑張って欲しい」と期待を込めた。
なお、研修会にはJA全農の206人をはじめ、全国組織14団体、533人が出席し、これからのJAの仕事に決意を新たにした。
(写真)緊張した様子の研修会参加者
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