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2017.07.27 
全中が新任役員の研修会一覧へ

・役目大きい常勤理事
・人づくり・自己改革に

 JA全中は7月25、26日、東日本地区のJA新任常勤理事研修会を横浜市で開いた。今年度の役員改選に伴って新しく理事になった理事長や組合長、専務・常務など、常勤役員を対象とした研修会で、JAの使命と常勤理事の役割、JAにおける地域農業振興と共同組合としての人づくり、農協改革をめぐる情勢と自己改革への取り組みの3つをテーマに講演・課題提起を行い、グループに分かれて討議した。研修会は全国3か所で開催しており、すでに中日本地区は終了、西日本地区は8月3日、福岡市で開く。

 東日本地区の研修会では中家徹・JA全中理事(人づくり運動推進運動推進委員会委員長)が「JAの常勤理事に期待する」で基調講演し、三角修・熊本県JA菊池組合長が「JAにおける地域農業振興と協同組合としての人づくり」で、JAの現場での取り組みについて報告した。

◆改革の見える化を

グループで討議する常勤理事(横浜市内のホテルで) 中家理事は、JAの3つの危機として、「農業・農村の危機」「JAの組織・事業・経営の危機」「協同組合としての危機」を挙げて説明。農業の危機では農家数と農業産出額の減少を挙げ、「所得や地価の下落で、農村は疲弊している」と指摘する。
 JAの事業については、事業の長期低迷、組合員の減少・脱退による出資金の減少、会計基準のグローバルを挙げる。その結果、協同組合としての「〝らしさ〟がなくされつつある」と危機感をあらわにした。
 その上で、JAグループの自己改革の取り組みに触れ、残された改革の期間は短いことを認識するよう訴えた。2014年の「政府与党のとりまとめ」「規制改革実施計画」から5年を「集中推進期間」としているが、残すは2年弱。また准組合員の事業利用規制の検討期日である2016年の改正農協法施行から5年という期限付きもある。
 中家理事は「正・准組合員はもとより、地域のみなさんから必要とされる、なくてはならない組織になること」が重要と指摘。そのため改革がみんなに分かるよう「見える化と全組合員調査」に全力をあげるよう求めた。
 また常勤役員に求められることとして、自己啓発、職員力を生かす(人育てる)、マクロ的視野と長期的視野を持つ、コンプライアンスの徹底などを挙げた。特にコンプライアンスでは「組合員から苦情があれば、これも不祥事と考えるべきで、経営的には含み損であり、いつかは数字になって現れる」と指摘した。

(写真)グループで討議する常勤理事(横浜市内のホテルで)

◆小集団活動が定着

 実践報告した三角組合長は、特に協同組合としての人づくりの重要性を力説。役員になったとき、「縦割り組織で横の意思疎通がない」「同じ部署でも隣の職員の仕事が分からない」「プライベートなことは言わない・聞かない」雰囲気を感じたと言う。そこで小集団活動を仕掛けた。
 その狙いは情報の共有化、コミュニケーション能力向上(ひとりぼっちの職員をつくらない)、自分で考え行動する環境づくり(やらされるのではない)などで、具体的には小集団(7、8人から20人前後が中心)でテーマを決めて活動し、報告書を作成する。そのなかから優れた報告・提案を全役職員の前で発表し優秀な4~6グループを表彰する。優れた提案の中には、担当部署で検討し、実行に移したものもある。
 毎年50~60のグループ(小集団)ができ、平成28年度のテーマには「花を通じた地域との繋がり」「組合員さんにベストな資材を!~聞くより見せたら分かる畜産資材カタログづくり~」などがあった。三角組合長は、「小集団活動が職場風土として根付き、全体にレベルアップした。さらに1ランクレベルを上げて組合員から見て誇れるJA菊池を目指してほしい」と、注文する。
 またチャレンジプランと称して資格取得を促している。年度初めに取得したい資格を自主申告し、合格したらJAが費用を負担する。同組合長は、こうした「人が育つ職場環境づくり」を、常勤役員の重要な役割として挙げた。なお同JAでは、毎年一文字の標語を決め、職員の意思共有をはかっている。今年は、人が育つの「育」で、昨年は自己改革への挑戦の「挑」、一昨年は自立創造型職員の「創」。いずれも「人づくり」が根底にある。

◆31年以降を視野に

 さらに、JA全中の比嘉専務は、農協改革をめぐる情勢と自己改革への取り組みについて話し、今後検討すべき課題を提起した。その中で、今後、マイナス金利等の影響が本格化することから、資金運用収益が平成20年度をピークに減少し、JAの経営がきびしくなるとして、収支シミュレーションの検討、次期JA大会の主要課題などを挙げた。
 ただ次回、30年度の全国大会について同専務は、農協改革実施計画が示す「農協改革推進期間」が31年5月までとなっていることや、JAの自己改革の実績調査、全組合員アンケートが31年4月を基準 日としていることなどから、30年度のJA全国大会は後ずれさせる可能性も示した。
 研修会出席者はこの後、6、7人のグループに分かれて討議した。このほか2日目は、公認会計士監査を受けるに当たっての財務管理とリスク管理について、公認会計士の平野秀輔氏が講義。JAビジョンの策定・実践と組織づくり・人づくりについて、長野県JA松本ハイランドの高山拓郎・前専務が講演した。

※高山拓郎氏の「高」の字は正式には異体字です。

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