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2018.06.06 
貯金保険機構が保険料検討へ 新世紀JA研究会の要請で一覧へ

 全国のJA常勤役員らの相互研鑽を目的とする新世紀JA研究会(代表:八木岡努JA水戸組合長)は6月5日、与党国会議員やJAの全国組織、農水省等に対する要請活動を行った。先にJAちばみどり(千葉県)で開いた同研究会のセミナーで採択した大会アピールに基づいたもので、特に貯金保険制度の掛金、准組合員の位置付け、食料自給率などが意見交換の焦点となった。

「議員連盟」の竹下亘会長(正面)らと意見交換する新世紀JA研究会の役員(自民党本部で) 同研究会のセミナーでは年に2回、JA持ち回りでセミナーを開き、協議内容を基に大会アピールを採択。それに基づいて大会終了後、毎回要請活動を展開している。今年5月のアピールでは、農業・JA・農政など、10項目の問題を採択した。
 その中の一つに農水産業協同組合貯金保険制度(貯保)の掛金問題がある。経営破綻など、JAの経営リスクへ備えた保険だが、すでに約4000億円の積立金(責任準備金)があり、JAバンク支援基金、支援準備金、県相互積立金などを加えるとJAの系統セーフネット財源は7000億円を超える。

(写真)「議員連盟」の竹下亘会長(正面)らと意見交換する新世紀JA研究会の役員(自民党本部で)

 

 新世紀JA研究会は、貯保はすでにセーフネットの機能を十分果たしており、JAによるこれ以上の負担は凍結して、その分を農業所得増大のための農業振興に回すべきだと主張してきた。これについては、全中や農林中金との意見交換から、何らかの形で貯保の運営委員会のなかに「検討会」を設け、妥当な積立金水準などについて、6月の委員会で検討する考えのあることが分かった。
 この問題で農水省は、将来の金融不安を挙げ、それへの備えや、信用事業の将来像をJA自ら検討するよう求めた。その上で、「いますぐ凍結は難しいが、JAの信用事業のあり方をリンクさせながら、農水省と全中、農林中金が話し合うべきではないか」(経営局金融調整課・河村仁課長)との考えを示した。
 JAの准組合員問題では、大会アピールで示したJAでの部会、県・全国段階での連絡協議会などを設置し、准組合員のJA事業への参加・参画の必要性を訴えた。自民党の国会対策委員長の森山裕議員も「地方では、准組合員を農業の協力者にできるが、問題は都市部の農協。JAもしっかり方針を立てないと危ない」と警鐘を鳴らした。
またJA信用事業の譲渡・代理店化では、「信用事業分離反対」の主張に対して、「事業譲渡は、あくまでJAの判断であり、また来年からの中期経営戦略でも、JAは総合事業でいくべきだとの方針で臨む」(後藤彰三・農林中金専務執行役員)との意向を述べた。
 このほか、主要農作物種子法の復活、TPP対応、飼料用米の法制化、海外視察「青年農業者のリーダー育成・交流研修」の周知徹底などを要請した。特にTPPでは、森山裕議員が「米国が復帰しても、これ以上の農産物の市場開放はない」との認識を示し、「2国間交渉で、"アリの一穴"のようなことになってはいかん」と強調した。
 また、ことし3月に発足した「地域の農林水産業振興促進議員連盟」との連携を掲げ、竹下亘自民党総務会長など、関係議員にも要請した。要請した議員は次の通り。竹下亘(衆)、森山裕(同)、青木一彦(参)、岡田広(同)、上月良祐(同)、山田俊男(同)、吉田博美(同)の各議員。
 新世紀JA研究会からは八木岡代表のほか、副代表の山口政雄(JAはだの組合長)、特別相談役の萬代宣雄(前JAしまね組合長)らが出席した。

 

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