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シリーズ:新世紀JA研究会 課題別セミナー

【福間莞爾・新世紀JA研究会顧問】

2016.10.27 
【新世紀JA研究会・課題別セミナー】危機感持ち意識改革を 政府の狙いは「総合農協解体」一覧へ

【総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー】
論点明確にして課題共有

 JA改革が喫緊の課題になっているなか、新世紀JA研究会(代表=八木岡努・JA水戸組合長)は、問題意識を共有し、改革への道筋を切り開くためのセミナーを10月から毎月催している。題して「新総合JAビジョン確立のための危機突破・課題別セミナー」。毎回、その内容を紙上セミナーとして2、3回に分けて紹介する。今回は10月7日に開いた「課題の共有と意識改革」から。


【趣旨】
◆広がる政府との距離

全国からJAの役職員約100人が参加したセミナー 本年4月からの改正農協法の施行によって政府主導のJA改革が始動しました。「改革」は、政府が平成26年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」に基づくもので、それは現在の総合JAを将来的に専門農協もしくは専門農協的運営にするという明確なグランドデザインのもとに行われています。 
 これに対してJAグループは「自己改革」を主張していますが、それは従来路線を踏襲したものであり、このまま行けば政府との距離がますます広がり、取り返しのつかない事態に陥ることが懸念されます。
 今後想定される課題は、(1)全農の株式会社化、(2)公認会計士監査への移行、(3)信用事業の事業譲渡、(4)准組合員の事業利用規制などであり、JAはこれらの問題への対処を誤ると致命傷を負うことになります。
 これまでJAは、農水省と二人三脚でJA運動を進めてきました。今回は事情が全く違います。その象徴は旧農協法73条の削除・「中央会制度」の廃止です。「中央会制度」は、戦後これまでのJAの発展を支えてきた政府・JA一体となった根幹の社会的装置であり、JAにとって廃止の影響は計りしれません。これまでのように、最後は政府が何とかしてくれるという甘い期待はこの際きっぱりと払拭する必要があります。

◆「郵政」分割を教訓に

 今回のJA改革の争点は、1.総合農協か専門農協か、2.協同組合か株式会社か、3.農業・地域か農業かなのですが、JAグループは、なぜかその争点を内外に明らかにしていないように思えます。それは、JAがこれらのことを争点に運動を起こせば抵抗勢力として葬りさられることを恐れてのことでしょうが、その戦略では勝ち目がないでしょう。JAの主張が自らの組織防衛と映っては論外ですが、農業振興の大義のために自己主張しなければ郵政事業の分割・民営化の轍を踏むことになります。
 新世紀JA研究会は、7月にJA秋田しんせいで開いた第20回セミナーで次のような「提言」を決議しました。そこでは、(1)農業振興の抜本策として、JA直営1000農場(1農場10~30ha規模)の全国展開や6次化をめざす新組織の組成、(2)准組合員対策として、准組合員に対してJA運営への意思反映のための正組合員の議決権を侵害しない制限付き議決権の付与の検討・実現や部会組織の育成など准組合員の組織化対策の推進、(3)信用事業分離反対運動と体制整備として、信用事業の事業譲渡の環境を生み出させない「JA内部統制確立2か年運動」展開の提起や事業縦割り・集中・集権型の事業運営を排除した協同組合らしい、組合員の営農・生活活動という目線に立った集中・分権型の経営の確立をめざすこと、(4)ナショナルセンターとしてのJA全中・県中の体制整備の方向などを示しています。
 なお、この「提言は」JA全中・全国連の理解を得て、農水省に要請しているものです。

☆   ★

 今後、セミナーを通じて課題を共有し、今後の対応方策は何かを考えて行きます。政府方針に反対しているだけでは問題の解決にはなりませんし、農業問題の解決は農業者・農家だけでできることではなく、地域住民・国民の理解があってこそ初めて可能なことを訴えて行く必要があります。
 これまでの経緯を見れば、政府提案が出された段階で勝負は決まります。そうした状況をつくりださせないことが肝要です。残された時間は限られていますが、今こそJA運動の底力が試されています。

登場予定の講師・テーマ等


(写真)全国からJAの役職員約100人が参加したセミナー

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