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准組あって農業振興 (株)農林中金総合研究所2017年3月2日

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「指導事業に支障」は疑問
(株)農林中金総合研究所常務取締役斉藤由理子氏

(株)農林中金総合研究所 常務取締役 斉藤 由理子氏 2014年(平成26年)5月に規制改革推進会議農業ワーキンググループは「農業改革に関する意見」を公表し、その中で組合員のあり方として、「准組合員の事業利用は正組合員の事業利用の2分の1を超えてはならない」とした。その後、6月の与党の取りまとめでは、「准組合員の事業利用について、正組合員の事業利用との関係で一定のルールを導入する方向で検討する」とされた。
 そして、改正農協法はその附則で、「政府は、准組合員の組合の事業の利用に関する規制の在り方について、施行日から5年を経過する日までの間、正組合員及び准組合員の組合の事業の利用状況並びに改革の実施状況についての調査を行い、検討を加えて結論を得るものとする。」とした。
 准組合員に事業利用規制をかけることの目的は、2014年6月の「規制改革会議第2次答申」にあるように「農協の農業者の協同組織としての性格を損なわないようにするため」であり、具体的には2015年(平成27年)5月14日の衆議院本会議で首相が「農協はあくまで農業者の協同組織であり、准組合員へのサービスのため、正組合員である農業者へのサービスがおろそかになってはなりません」と答弁したとおり、「准組合員へのサービスが正組合員である農業者へのサービスをおろそかにしないこと」である。

【JAの事業利益の部門別内容】
【JAの事業利益の部門別内容】
農水省「総合農協統計表」

 それでは、准組合員へのサービスをすること、またそれが増加することによって正組合員である農業者へのサービスがおろそかになるのだろうか。それは2つのルートに分けて考えることができるだろう。
 第1のルートは、准組合員へのサービスに対し、農協のより多くの、または質の高い資源を配分した結果、農業者向けの事業への資源配分に支障がでる場合である。
 しかし、農協は総合事業全体で利益を出すなかで、部門別損益では営農指導や農業関連事業の赤字を金融・共済事業の黒字で補うことが続いている。部門別の赤字を縮小する努力はむろん必要だが、准組合員も利用する他事業の黒字によって補うことで営農指導・農業関連事業にその生産性や収益に見合う以上の資源が投入されてきたといえるだろう。
 第2のルートは、組合員が利用する施設や事業量には上限があって、准組合員の利用によって正組合員が利用できなくなる場合である。貯金や貸出、共済、販売、購買などは考えにくいが、農産物の集出荷施設や倉庫などの共同利用施設、葬祭場、病院などの施設、あるいは営農指導も、利用可能な事業量には何等かの上限があると考えられる。
 しかし、准組合員の利用によって事業量の拡大や収益の増加を見込むことができれば、施設の規模や担当者数を拡大することでサービスの向上や価格の引き下げにつなげることは農業者である正組合員にとっても望ましい。15年3月最終改正の農協等向けの総合的な監督指針では、准組合員制度に関して「事業運営の安定化を図り、正組合員へのサービスを確保し、向上させる上でも、事業分量を増大することが望ましい」としていた。
 ただし、この箇所は16年4月改正では削除された。また、准組合員のうち他の農協や農事組合法人が農業関連施設等を利用することは、会員である農業者の利益につながるものである。
 さらに、准組合員の事業利用規制導入の意図には、他金融機関とのイコールフッティングによって農協のマーケットへの内外の金融機関からのアクセスを容易にすることもあるといわれている。この場合のイコールフッティングとは、一つには公認会計士監査への移行によって、他金融機関同様の監査を農協に実施することであり、もう一つは、他金融機関の他業禁止に対応する農協の信用・共済事業の分離である。
 ただし、今回の農協法改正で前者が規定されたことで、信用・共済事業の分離については、准組合員利用規制とは切り離して考えることができる。すなわち、「会計監査については、農協が信用事業をイコールフッティングではないといった批判を受けることなく、安定して継続できるようにするため、信用事業を行う農協等については、信金・信組等と同様、公認会計士による会計監査を義務付ける」(「法制度等の骨格」)こととした。
 准組合員の事業利用規制も含めて、今回の農協改革は、民間組織である農協の自治や自主性を公共性の観点から制限する色彩が濃い。農協法の目的は第1条にあるとおり、「協同組織の発達の促進を通じた農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上」であるのに対して、改正農協法案の提出理由には「農業の成長産業化」という現農政の目的を掲げて、それに適合すべく制度の変更が行われた。さらに、農協の自主改革においては、農業所得の増加等の結果までも要求されているようにみえる。協同組合としての自治や自主性が公共性によってどこまで制限されうるかを改めて検討する必要があると考えられる。

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